野口 尚子
2010.02.23
「余白を埋める、余白を作る」
野口 尚子 - 印刷の余白Lab. / 印刷提案・デザイン
各所で話題の僕の似顔絵入り名刺ですが、実は印刷の余白Lab.の野口尚子さんにコーディネートをお願いしたもので、ブラックメタリックの箔押しにグレーのラメ入りの紙がお気に入りで愛用させてもらっています。独立前に知り合いましたが、あれよあれよという間に活躍され、教鞭も取っておられる。そんな野口さんが東戸塚に仕事場見学に来て下さりまして、印刷にまつわるあれこれを特別講義してくださいました。
ドイツで野口さんが見てきたもの
【加藤】 ドイツで何見てきたの?工場とか行ったの?
【野口】今回ドイツに行った目的がいくつかあって、一つはPaper World 2010。フランクフルトメッセという、世界最大のブックフェアもやってる会場なんですけど、そこを使って紙とか紙製品の見本市があったんですね。もう一つは、ちょうど今回ドイツの南の方をうろちょろする予定だったので、日本にもトークショーとかに来られたことがある方なんですけれども、クリスタさんというMeisterinがやってらっしゃる活版工房へもお邪魔しようと。WEBから「見学させていただきたいんですけど」と連絡したら、快いお返事があったので、そこにも寄ろうっていう。
【加藤】 素敵だね!
【野口】今回は前に行ったことのある町にしか行ってないんですよ私。学生時代に3回くらい、20日間とか2週間とかいう単位でドイツに行ってたんですよね。会社に入ってからしばらく行ってなかったので、前見たところにもう一回行ってみようと思って。
【野口】あとバーゼル。ドイツ、フランス、スイスの国境のスイス側の街ですね。バーゼルに「紙の博物館」ていう博物館があって、昔の紙梳きの設備とか、活字を鋳造する道具とか、ロール状の凸版を作る機械とか、昔からの印刷技術を保存してるところにも行きました。
【加藤】 そういうのって海外行かないとなかなかないのかね?
【野口】日本でも和紙とかはありますし、それは多分工法も変わってないはずですよね、古くから。手漉きの和紙とかは、本当に昔ながらの製法、改善はされていると思いますけど、そのまま使っているはずなので。ただ機械でやっているものはどんどん進化していっていて、昔の機械とかは今は使ってないですよね。昔はそれこそ紙をパルプ、紙のもとに木や布屑を崩していったりする作業に水車の力を使っていて、窯元とかにあるような、土をつく機械ってあるじゃないですか。ああいうのを紙でも昔パルプを作るのに使っていたわけですよね。木槌の大きいのを臼に叩きつけて水車で動かす、というようなもの→道具もそのまま動く状態で保管されていたりする。
【加藤】 動いている状態でなんだ。
【野口】私も行ってみてびっくりしたんですけど、紙の博物館は実際に川沿いに建てられていて、水車も未だに動かしているし、古い機械っていうのもほぼほぼ使える状態で残しているんですよ。子供たちが社会科見学にも来るみたいで、活字を自分の名前で鋳造してくれたりとか、昔のプレス機を使って実際に工房の中で今でも作品の印刷をやってらっしゃる職人さんたちが入って管理されてたりとか。日本の大きい博物館とかだと道具だと道具をそのまま展示しているじゃないですか。今でも使える人を中に雇って、ちゃんと使いながら見せてる、というのはすごく面白いですね。
【加藤】 印刷という文化を保存しようとする姿勢があるんだね。日本だとそういうのってあまりないよね。
【野口】そうですね、言われてみれば、たしかに。ちょっと不思議だなあとも思うのですけど、普通に暮らしている人達には印刷業界の情報って入ってこないじゃないですか。印刷業界もそうだし、紙についてもそうだし、あと出版業界についても結構クローズドなところがある感じがしてて、技術やクオリティは世界的に見てもトップレベルし、システム的にもすごく良くできている、けれど、全くそんな感じはしないですよね、実感として。
【加藤】 日本で見学とか行っているのは、何見に行ってるの?
【野口】まず単純に現場を見る機会っていうのが普段はまずない。情報保護とかで見せてくれないことも最近多いのですけど、デザイナーが印刷機を回しているところを見たことがない、というのもざらにある話で、どういう風にインクが乗って、紙にくっついて、刷られているのかとか、見る機会がないですよね。私はちょっとそれは自分が出版関係の会社にいた時から気になっていたところで、色校正を見ても、画面上で見てる光情報がインキっていうモノになって出てくるのかというのが、わかんないの気持ち悪いじゃないですか。勉強しているから知識としてはわかるけど。
【加藤】 ロボットのパイロットがどういう仕組みで動いているのかわからないで敵に勝っちゃうのが気持ち悪い的な。パトレイバーの話なんだけど。
【野口】そういう感覚なんですよねえ。結構私には切実な問題で、それを知らずしてどうやってやろうというか、入れないぞデザインに、くらいの。
【加藤】 でも逆に言うと普通の人がゴニョゴニョしててよくわからないぞ、というところを、ある種、商売にして今やっているということだよね。
【野口】結局、紙ラボっていう授業を始めて、一緒に来てくれた人達と工場とか現場に行くっていうのは、ある意味私は手の内を明かしているようなことなんですよね。実際自分で印刷所とかに問い合わせをしてもらっても構わないし、それは私的には全然オッケー。デザイナーは自分がデザインすることで食べていくじゃないですか。だけど私は自分がデザインをしないケースがいくつもあるし、むしろ最近はディレクションの方が多いんですけど、「自分がデザインをしなくてもいい」って考えた時に、できることって増えるんですよね。
【野口】デザインをするのが自分の仕事だって思うと、デザインをしない仕事はできなくなっちゃうじゃないですか。そう考えると、印刷のことを詳しく知っていて、一緒にデザイナーとも話を詰められて、印刷所とも話ができて、デザイナーが印刷について自分で色々手配するというのがハードルになって良いデザインができないって言うんだったら、私が入ることで楽に流れを組んであげることができる。自分がやった方がスムーズに動くだろうなってことをやってるってだけなんですよ。
特殊印刷という生業
【加藤】 世の中でフリーで特殊印刷やってるって人も少ないでしょ。
【野口】そうですね、それは印刷を選んだのがなんでかってことですね。私は別に印刷をそこまで愛しているわけじゃ実際ないんですけど(笑)。
【加藤】 そうなんだ。
【野口】相対的にWEBとか作るよりこっちの方が好きくらいの感じで、印刷に心酔しているからこの仕事をしてるわけではないんですよね。印刷物のデザインが好きだったから、「これがどうやって刷られるのかわからないとデザインできん!」みたいな気持になって、自分では物凄く自然に調べ始めたんですけど、意外と世の中でそういうことをやっている人が少ないっていうのと、少ないんだったら私でも役に立てるんじゃないかという。
【加藤】 大学の研究もオートポエーシスって、他の人があまりしなそうなことやってたものね。
【野口】そうですね。本当は美術とかデザインではなく、物理とか数学とかの研究をできるものならやってたいんですよ、できないですけど。大学で理系に進みもしなかったし。ただ元からそういうことに興味があって、高校の時に大学の研究室とかにフラフラ遊びに行ったりとか、いまでも研究施設の総合発表的なところにフラっと行って、端から見て回ったりとかというのをしてるんです。感覚的には単純なこともまだ解明されてないことが多くて、それを誰かが研究していて、どこかで解明してる、っていう状況はすごく面白いし、何かを突き詰めて研究していくってことにはすごく憧れるけど、研究の表現方法についてはすごく疑問があって。私はさっき印刷所のこともわかるし、デザイナーのこともわかるし、っていうところで間に入って仕事をしているって話をしましたけど、実際は研究のことも、アウトラインを理解出来るくらいには関わって、それを表現としてどうしたらいいかなっていうデザインの側の視点から関わっていけるんじゃないか、というのもずっと考えているんですよね。
【加藤】 なんか僕の周りでもアカデミックな人たちと似ている匂いがする気がする。
【野口】アカデミックというよりは、伝えたいものがあるんですよ。面白いと思っているものが一杯あって、それは印刷でもあるし、大学とか研究施設で研究されていることでもあるんだけれど、私がこれを伝えたいと思っている人たちには伝わらないってことだろうと思うんですよ。それを、どうにかしたい。
【加藤】 それが今の立ち位置にも繋がってくるという。
【野口】だから私は表現の中で必要がなければ自分がデザインしなくてもいいと思うし、という意味でデザインというものを手放そうと思えば手放せてしまうし、印刷に縛られないでやってるというのも、印刷物にすると割と多くの人に伝わるじゃないですか。というツールとして印刷はすごく便利だと思っていて、ここはひとまず最初に極めとけみたいな、極まんないんですけど、まあそこは職人に任せて、少なくとも手段としては自分の根っこに置いておくと便利そう。そこから印刷を使って、まだ伝えたいことっていうのを広げていけるんじゃないかと思ってます。
【加藤】 野口さんは現場にいるのも良いのだと思います。ないし現場に近いところ。
【野口】そうですね、やっぱり見えないところでやるの気持ち悪いんですよね。
共通言語を増やすこと
【加藤】 あっちはどうなの?「しぇんしぇー」的な。
【野口】紙ラボですか?
【加藤】 あっという間に教える立場になっちゃって。
【野口】あれはうっかりなんですよ。
【加藤】 何を教えてるんだっけ?
【野口】正直最初はやりながら考えてたくらいなんですよね。
【加藤】 まあそうだよね。生徒さんのリアクションもらいながら考えないと。何を伝えるべきなのか、自分の頭の中だけだとトライ&エラーにも限界あるだろうし。
【野口】印刷について自分が勉強していくときに、本読んだりとかするじゃないですか。でも、実際はわからないですよね。
【野口】会社にいる時にはデザインをする部署にいなかったんです。何をやっていたかというと事業部の雑務とかから会計とか研修とか、事業部全体を見てとりあえず必要なことをやってくれ部署みたいなところだったんですよね。なかなかDTP業務自体が減っていきそうな時節ではあったし、安いところは本当に安くて価格競争にならないという状況もあって、うちのデザイナーはこういう特殊な箔押しとかエンボスとかを含めて、有名デザイン事務所ほど高くはなく、会社としてのお値段で、色々な提案がうちからだと出せますよ、みたいな下地を作っていったらどうなのかという話が一時期あったんですよね。
【加藤】 そこで試行錯誤したプロセスが紙ラボに反映されていたりするんだ。
【野口】そうですね、それもそうですし、協力先探してくるというのも元々やっていた部署だったので、私が印刷所を探して、どういう加工が世の中でできるのかとか、どのくらいのコストでできるのかとか、実際に発注するにはどうしたらいいのかというのを、協力会社探しを含めて話を聞きに行き始めたんです。でも、現場に行って見て私が全部回収してきて社内にレポートとかも書いているけど、じゃあ誰が使えるの?ということになってきちゃうんですよね。現場に行くほどに分かるんですけど、この仕事を他の人にまるっと投げるのは無理だなと。私がいなくなっちゃったらできなくなっちゃうようなことは、会社に貢献できることじゃないなって考えたんですよね。やってもいいよとは言われてたんですけど、会社にいる限りは人に引き継いでできる人がどんどん増えて行くという風にできないと、業務としてイマイチですから、会社組織としては下手をしたらお荷物なんだと思うんですよ。それ以外にも色々要因はあったんですけど、本気でやるんだったら出てやろうかなということになりまして。
【加藤】 英断だよね。楽しくやってるんだからいいじゃん。
【野口】自分が十年二十年持っておけるものを仕事にしたい、というのがあります。会社の仕事だと私がこの仕事を十年やるかなっていうのもあったし。私は印刷を技術だと思っていて、表現手段が印刷メインで無くなった時でも、印刷の手配が全て自分でできるというのは、ずっと残りますよね。WEBを作る人が仕事じゃなくなった時も、WEBは作れる人じゃないですか。それと変わらないので、ずっと自分がどういう状況でどういう内容のことを仕事にしていても、残っているっていうものが大事なのではないかと。
【加藤】 加職だね、転職ではなく加えていく。語学学習みたいなものだよね。フランス語覚えたら次はドイツ語、フランス語ちょっと離れていても、話す時間を作ればすぐに思い出すみたいな。そういうものだよね専門って。
【野口】印刷って科学と物理でできているんで、すごい面白いんですよ。印刷の面白いところというのは、デザイナーは表現手段として面白いという見方をしていると思うんですけど、私にとっては化学反応と物理法則でこういう表現ができる、っていうことが面白い。
【加藤】 確かに技術者の視点だね。
【野口】例えばすごく印刷機に通しにくい紙があった時に、それは何で通しにくいかってことを考えると、厚みなのか、表面の傷みやすさなのか、表面が傷みやすいとしたら、インキをゆるいもの、粘着力の弱いもの粘度の低いインキに変えるとか、印刷機自体を回す速度を下げると、表面が多少弱い紙でも印刷ができる。そういう圧力を調整するとか、インキの粘着力を考えるとか、こうすればできるんじゃないかっていうのを、勿論それは私の頭の中で考えてもできるわけではないから、印刷所の人と話合って、「これをこうしたらこれくらいまではいけませんかね?」と考えていったりする。それがすごい面白い。
【野口】どう作られた紙はどういう性質があるかとか。普通聞いてもデザインにどう反映するんだ、という話なんですけど、私はそれを把握して自分ではデザインをするし、実際デザインする人たちも、物事の理由とか仕組みがわかると変わると思うんですよね。そこを言葉にしてデザイナーに伝えようとしていた人たちが印刷業界にあまりいなかったし、逆に言うとそんなことをデザイナーが知ってどうなるの?って皆思ってたと思うんですよ。
【加藤】 なんか紙ラボの存在意義がわかってきた気がする。
【野口】紙とか印刷に詳しくなろう、の詳しくなろうというのは、今まで見たことのない紙とか、新しい紙とかの情報を集めてこよう、というのではなくて、そもそも紙とか印刷とかがどうなっているのかを実感を持って私には教えてくれる人がいなかったから、その窓口を作りたいんですよ。私が一から十まで教えてあげようなんてつもりは全然ないし、むしろそんなことできるなんて思ってないです。だからあくまで窓口になるという意味で、印刷所の人と話ができるくらいの印刷と紙の知識をつけて欲しい、というのが紙ラボの目的です。
【野口】だから印刷所の人をアドバイザーとして呼んできたりとか、紙を企画している代理店とか、製紙メーカーの人とかを呼んできて話をしてもらうというのも、一つは専門職の人から話を聞くというのもあるのですが、どういう人たちが働いているのかということがわかれば、勇気さえあれば問い合わせできるじゃないですか。
【野口】業界構造とかの話も最初にするんですけど、業界構造を知っていると、紙はメーカーに問い合わせても、紙のことを教えてはくれるかも知れないけど、紙を買うのなら代理店か問屋を通さないと買えないとか。印刷所でも大きいところは違いますけど、一個の印刷所が全部の加工をやっているわけではないので、調べる時に、この印刷所はこういう機械を持っているからこういうことができるんだなみたいなのが、事前に見えていると、聞ける内容がある程度わかるんですよね。だから業界の仕組みを知っていて、誰に何を聞けばどういうことがわかるのかなみたいなアウトラインをまず伝えるということと、そこで働いている人たちを何となく知ってもらう、問い合せる時のハードルを下げる。できるだけ共通言語を増やそうって思ってるんですよ。デザイナーが少しでも仕組みについて知っていれば、そこから開けていくと思うので。だから専門職の人と話すための共通言語を作るための講座って思ってもらえると、一番正しいのかなあと。
印刷の将来性
【加藤】 印刷ってこれからどうなるんだろう?
【野口】多分、出版業界の中や印刷業界の中にいる人とは私の意見は全く違うとは思うんですけど、私は技術としては確実に残ると思っていて、そういう意味では印刷は他の産業よりもよっぽど強いです。需要が減っているから物量が減っているというだけの話で、例えばSUICAのカードの裏とかも印刷でできてたりしますし、印刷技術って根本的な加工の一つなんですよ。煮るとか焼くとかに近いかも知れない。
【加藤】 でも誰でもできるわけじゃない。
【野口】広い意味での印刷技術がなくなることはまずないと思います。その上で一個一個の印刷加工については結構変わってくるかなという気はしていて、ものによっては技術はなくならないけど数は減るでしょうね。それは需要と供給の問題で。
【加藤】 印刷がなくなるってことではない。
【野口】技術自体の単価が印刷っていうのはあまり大きくは変わらないですしね。例えば電子機器のチップを作るのに効率が上がりました、これだけの費用でこれだけの材料でできちゃいますから、いままでの技術はもう要りません、みたいなことは印刷ではほとんど起こらないですね。産業自体がドラスティックに一新されちゃうようなことはあまりない。近年、オフセットの製版方法が大きく変わりましたけど、それも大半が置き換わるのに何年もかかりましたし。
【加藤】 そういう中で今野口さんが見てこうというのはやはり紙と印刷なのかね。
【野口】とは限らないですね。正直なところ、フリーになってまだ1年ちょっと。自分のできる範囲をまだ広げているところです。何より紙と印刷に関しても、難題を吹っかけてくるデザイナーが一杯いるわけですよ(笑)。そう言えばこれやったことなかったわとか、これこの技術だったらできるんじゃないというようなことを考えていると、私が意識的に広げなくても、意外と周りの人が広げてくれちゃうということはありますね。
【野口】一応、プリンティングディレクターだけど厳密なカラーコントロールをする役割とは違うし、紙とか印刷とかに関わっていることならとりあえずいいんじゃないかみたいな気持ちで、周りの方々が話振ってくれたりするので、うちの仕事じゃないかも知れないけど、とりあえずこうしたらできそうな気がするから調べてみるだけ調べてみるよ、ていう感じで相談受けたりもしているんで。
【加藤】 十年後の自分を考えた時に印刷周辺にいると自分は飽きないかなみたいな感触はあるんだ。
【野口】それはありますし、木を加工してプロダクトを作るとか、鉄で鉄骨とかで家を作るとか、プロダクトとか建築とかに比べて紙って入りやすいんですよね。それこそ、個人がちょっと変わったもの作りたいと思っても、日本だったら作れる。お手軽?
【加藤】 新しいことやる時もお手軽ってことだよね。
【野口】ものすごく選択肢がいっぱいある割に、まだ使われてない組み合わせとか素材とかっていうのがいくらでもあって、これからも出てきます、多分。なので、紙屋じゃないところが紙を作ってくる可能性っていうのも大いにあると思っていて、紙に近いもの。最近だとユポとか。ユポなんてプラスチックからできている紙ですけど、あれもものすごく普及してきましたし、そうなると繊維以外のものも見ていかなきゃいけなくなりますね。
【加藤】 そうすると際限なく楽しめる。
【野口】大体のマテリアルが印刷というところに還元できるんじゃないかって気すらします。
【加藤】 印刷の将来性と自分の将来性を限りなく重ねあわせて考えているから、多分幸せに仕事ができているんだろうね。益々のご活躍を楽しみにしているので、頑張ってください。

野口 尚子。1984年生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科を卒業後、出版系デザイン制作会社の事業統括業務をしながら、特殊印刷を使った作品制作を開始。2009年1月にフリーとなりIID世田谷ものづくり学校に事務所を構え、印刷の余白Lab.を稼働。
印刷の余白Lab.ではジャンルこそ「印刷」を専業としているが、ディレクションおよびデザインを中心に、編集、執筆、レクチャーの開催など、活動範囲は多岐にわたる。印刷の何でも屋さんとして日々探求中。
印刷の余白Lab.
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