迫田 大地
2011.03.04
「人と情報のパッシング・ポイント」
迫田 大地 - WEBデザイナー
WEBデザイナーの迫田大地さんと付き合いだしたのは遂最近。実はこういう仕事をしている癖にWEBデザイナーの知り合いってとても少ないんです。しかし話してみると、同じ80年生まれということもあり、WEBの入り口から、仕事に転換した経緯から、それぞれの今に至るまで、当然やっていることは違っても共通項は多く、いつも以上に「そうですよねえ」を連呼しながら、聞き入っておりました。
取材は初の山久@自由ヶ丘にて。大地さんにもどうやら気に入っていただけたご様子です。じっくり話せる空間というのはやはり大事ですね。しかし、録音中に僕が何回「ビールもう一杯お願いします」と言ったかは内緒です。ちゃんと仕事はしてきましたから!インターネットのこの10年を駆け抜けた、インタラクション・デザイナーの今を、是非ご堪能ください。
インタラクション・デザインへの道程
【加藤】 そもそも大地さんと絡みだしたのが、ET Luv.Lab.で一回もデザイナーに取材してない、という時にたまたま大地さんが読んでいて、僕デザイナーですけどと言ってくれて。
【迫田】Twitterでフォローしてたから読んでいたわけですけど。
【加藤】 そうですよね、お互い存在は薄々感じていたという。でも、世代的には同世代ですよね。
【迫田】そうですね、僕も80年生まれなので。
【加藤】 WEBデザイナーになろう、というのはあったんですか?
【迫田】大学受験の時に、美大へ行こうと思っていたんですよ。美大へ行ってデザイナーになろうと思っていたんですけど、その時なろうと思っていたのはデザインと言っても紙のほうだったんですね。
【迫田】まあ受験勉強とか面倒臭いんで、やっぱりサボるわけじゃないですか。で、サボってる時に何やっていたかというと、Geocitiesでホームページを作って、Claris系のソフトを使ってHTMLを書いてみたりとかしていて。
【加藤】 超懐かしいですね!
【迫田】で、ホームページを作ってみたら、英語でメールが来たんですよ、知らない人から。それで何を言ってたかというと、おまえのホームページを見たと。それでホームページにメールアドレス載ってたから送ってみたけど、なかなか悪くないデザインをしているね、みたいな感じで褒めてもらったんですね。うわ、スゴイ、と思って。そういうふうに知らない人からフィードバックもらう経験ってあんまりないじゃないですか。
【加藤】 そうですよね、インターネット出てきてからですよね。
【迫田】それでショックを受けて。これはスゴイと思って、これはもう紙じゃなくてWEBの方でデザインをやろうと方向転換をそこでした感じですね。
【加藤】 やっぱり早いですよね。僕も学生時代ホームページとか作ってましたけど、僕らって職業選ぶ前にまず作ったことあるんですよね。そこで楽しめちゃった人が残ってる感じがします。
【迫田】そうかも知れないですね。あの時、インターネットがそれこそダイアルアップの時代で、パソコン通信を経てインターネットへ、となった頃だと思うんですけど、開拓するぞとまでは言わなくても「知らないことを覚えていくのが楽しい」という人が多かった気がします。
【迫田】幸か不幸かわからないですけど、僕の周りにはそういう人がいなかったんですね。WEBやりたいっていう人が本当にいなくて。だから同じ趣味の人と繋がることが全然なくて、そういう過去を考えると、今のTwitterとかFacebookがあるというのは、すごく恵まれてていいなと思いますね。
【加藤】 よくデザインやってる人に聞くんですけど、大地さんがいうところのデザインの定義ってなんですかね?デザインってなに?ってやつですね。
【迫田】高校3年の時に趣味でホームページ作っていた頃は、「綺麗に飾る」のがデザインですよね、カッコ良くする。で、美大にそのまま進んだんですけど、大学での勉強ってあんまり興味持てなくて。
【加藤】 何勉強されてたんですか?
【迫田】エディトリアルデザイン、誌面のデザインですね。レイアウト。本当に興味が持てなかったんで最低限の単位しか取ってなくて、あんまり大学で勉強してない。そこではデザインのことあまり勉強せずに、家で仕事してた感じなんです。だからその頃はデザインとはなにかみたいなことを考えずにひたすらやっていて。その後に小さい会社に就職したんですけど、その頃もあんまり考えていなくて。今の会社に移って初めて出会ったのが、インタラクションデザインという言葉と考え方だったんです。
【迫田】人がどういう経路を経て、どういうコンテンツを見に行くかという過程のデザイン。情報をどこにどう置くと効果的なのか。それに出会ってからグッと仕事が面白くなったんで、僕の言うデザインっていうのは「情報の整理」。
【迫田】「綺麗に飾る」デザインをしていた頃は、デザイナーを自分の一生の仕事にしようとは思ってなかったです。
【加藤】 多分大地さんとは共通点があって、僕も学生やっている時にほとんど大学行かないで、デザイン会社手伝ってたんですよ。ある意味、デザインの教育は受けてない。大学卒業して、その後、独立なので、デザインってことをちゃんと考えるようになったの25歳くらいからだと思うんですよ、それまでは考える前に作ってましたから。
【迫田】僕も似たようなもんですね。就職した後に意識が変わって、今のWEB業界の最新情報というのをキャッチアップしだしたのも、入って2〜3年経った後ですね。そこから転職、という風になったので、ちょうど25か6くらいの時が「デザインっってなんだろう」と一番考えてた時ですね。
【加藤】 そこからはずっとWEBデザイン?あ、でもスマートフォンもやっておられたりしますよね。
【迫田】基本的にはWEBデザインですね。前職でもソフトウェアのインターフェイスデザインとかはやってたんで、それとWEBデザインの中間くらいが、今のスマートフォンアプリとかになるんですかね。
【加藤】 そうすると自分が表現したいものを作ってた時代から、ある時、表現をどう伝えるかみたいなところに動いた感じなんですかね。
【迫田】うーん、多分どっちかっていうと、自分が表現したいことであったり、形作ったものを皆に見せたいと思っていたのは本当に初期だけで、それからは誰かが伝えたいことをコネコネして、どうわかりやすく伝えられる形にするか、みたいな方に面白みを感じるようになりました。
【迫田】自分自身はいわゆる「クリエイター」ではないな、と思ったのは割と早いうちですね。
【加藤】 最初にWEBスゴイ、と思ったのがコミュニケーションを海外の見知らぬ人ととったこと、というのも大きいんじゃないですかね。
【迫田】そうなんです。そうだと思います。すごいもの、例えばメディアアート系の学生が作るようなものの経験を経てWEB業界入った人だったらコンテンツの方に行くのかも知れないですね。僕はそうじゃなかったみたいです。
【加藤】 僕はすごいローカルな仕事をしていますが、共感するところが多いです。
【迫田】ありがとうございます。
インターネットとどう付き合うか
【加藤】 今日は大地さんに振りたいと思っていた質問があったんですけど、珍しく。この間、10年前に糸井重里さんが「インターネット的」って言っていたことを思い出したんですね。でAmazonで検索してみたら、フラット、リンク、シェアが掲げられていて、でもこれらって去年のベストセラーのタイトルとあまり変わってないなと。そう考えた時に2011年における「インターネット的」って何かってのがちょっと気になってるんですね。
【迫田】僕自身も最初に知らない人からメールが来てWEBが楽しくなったわけですけど、インターネットが流行り始めてきて皆が「こうなって欲しい」って言ってた内容って、「個人でも大手メディアに頼らないで自分の声が誰かに届くようになるんじゃないか」ってことで、それがすごい声高に叫ばれたじゃないですか。
【迫田】それに対して普通の人たちというのは、そうは言ってもすぐにそんなに大きく世界が変わることはないだろうと思いながら、でもインターネットって何となくスゴそう、という感覚だったんじゃないかと思うんですね。
【迫田】で、この間もブログに書いたんですけど、去年流出事件が2つあったじゃないですか。尖閣諸島の動画とWikileaks。あれってもう完全にマスメディアよりもインターネットが影響力を持ったという証拠なんじゃないかと思ったんですね。
【迫田】僕はたまたまその事件を見て、これは! と思ったわけですけど、いろいろな人がいろいろなものを見て、「これは本当に10年前に言ってたような世界が来てるんじゃないか」と思い始めたのが最近だということなんじゃないかと感じます。
【迫田】原点回帰じゃないですけど、インターネット的、というか、インターネットに人々が夢見たものというのが本当に実現されつつある。
【加藤】 なんか声が大きくなるっていうのもある一方で、届かなかったところに声が届くっていうのもあると思うんですよ。それは1対nじゃなくて場合によっては1対1でもいい。一人の声が大きくなるってあるんだけど、1億3千万人が体験できることじゃないじゃないですか。
【迫田】すごい頑張った人だけ得られるものだったかもしれないですよね。
【加藤】 インターネット的って質問を振っておいてなんなんですが、インターネットってどこからどこまでだって感じがするんです。僕の生活がどこからどこまでインターネットで、どこからどこまでインターネットじゃないのか、って考えると、ああもう僕がインターネット的になってしまっているのだな、思っちゃったりします。
【迫田】人がインターネット的になってきている……そうですね。つまり、例えば人との繋がりにしても、インターネットで通じるのを前提にしだしたというか、みんなもうそれが普通だと思い始めているという。それはあるかもしれないですね。
【加藤】 Twitterでこの間ちょっと話ししましたけど、Twitterって使う人によりけりだよねという話。
【迫田】「使う人によりけりだ」というのをすごい強く感じたのがTwitterなんですよね。
僕自身は2007年とか割と早いうちからTwitterを始めたんですけど、その後どんどん人が増えていって、テレビに取り上げられてまた人が増えて、今度はTwitterの中で有名人と言われる人が出て来てまたどんどん人が増えて……というのを、いわば中で体験したんですけど。その間にどんどんTwitterの性質が変わっていくというのを目のあたりにするんですよね。
【迫田】あれって基本的には興味のある人としか繋がらないはずじゃないですか。なので性質が近い人しか周囲にいないはずなんだけど、それでもわかるんですよ。空気みたいなものが変わってきてて、それって中にいる人、使っている人の種類がちょっとずつ変わってきているから、Twitter自体が変わってきているんじゃないのかな、と思ったんですね。
【加藤】 それって、使ってることによって、人が変わってきてるってことはないですかね。
【迫田】おお。逆にTwitterを使うことで人が変わってきている?
【加藤】 と言ってしまうと、すごい大きな話になってしまいますけど、じゃあ自分がTwitterを使って変わってないかというと、ちょっと変わったかなあ、って感じはするんですよね。
【迫田】僕ももしかしたら変わったかも知れないですね。
【迫田】でもそれって、Twitterに触れたのが僕らなんかは25歳過ぎたあたりだったわけですけど、そこからその人の根っこにある性質みたいなものがガラッと変わるかというと、僕はちょっと疑問です。その人のある側面が出やすくなったってことは多分有り得ると思うんですけど、Twitterでそれがよりブーストかかるってことかもしれないですね。それが「Twitterを使って変わった」ってことになるかどうかはわからないですけど。
【加藤】 ブーストかかると逆に乖離しちゃいますよね。実際と。
【迫田】その辺で最近よく話にのぼるのは、「実際の自分」って何だ?ということですよね。仮に乖離しちゃったとして、実際の自分ってどっちなんだっけ、Twitterの自分と実社会の自分と。
【迫田】ちょっと前までは、実際の自分は間違いなく実社会の自分で、インターネット用の自分はインターネット用の顔を使って、と……いわゆる「リアル」と「ネット」を切り分けてたと思うんですよ。でも、最近は実際の自分がどっちかとは言えないと思うんですよね。今そのことについて話すのってすごい難しいと思って。
【加藤】 そんなところのFacebookじゃないですか。あれって、アメリカの人はずっと前から体験しているからシームレスになっていそうな印象なんですよね。向こう行って使ってないですからわかんないですけど。
【迫田】インターネットの自分といわゆる「リアル」がシームレスってことですよね。
【加藤】 そうです、そういうことを本当に本気でやっている初めてのサービスなのかなあと。
【迫田】僕もFacebook使い始めたの最近で、というか先週なんですけど。きっかけは映画『ソーシャル・ネットワーク』を観て、その後にFacebookの本を読んでいるからなんですけど、映画でもザッカーバーグがサービスを作る最初の時に「大学内の人と人との繋がりや社会的活動を全部インターネットに持ち込むんだ」ということを言うじゃないですか。それが多分揺らいでないから、結果的に流行ったことによって、シームレスになってきてるというのがあると思うんです。元々リアルにあったものを、インターネットに持ち込みやすい作りになっているし、アメリカはそれを人々が受け入れる国だったという。
【迫田】一方、日本ですよね。
【加藤】 Twitterが流行った後のタイミングでのFacebookという日本ですよね。
【迫田】そうですよね。そこの順番はアメリカと逆なのかも知れないですね。この話の大きいポイントとしては匿名実名問題というのがあるかもしれません。どっちが良いかというのは、僕は言わないですけど。
今を生きるためのリテラシー
【加藤】 最近、WEBサービスの善と悪ということを考えていて、正と負でもいいんですけど、Facebookとかの論評見てても、人間が生きて行く上でのリスクをFacebookの負の側面、って言ってるだけのような気がするんですよね。
【迫田】ちょっとフェアじゃないですよね、それをFacebookのせいにしちゃうというのは。
【加藤】 僕らってもしかしたら、2ちゃんねるは悪とか、Mixiは正なのかわからないですけど、もしかしたらそういう分類をしてきてしまった感じもしていて、その辺りも実は人による、というところに尽きるんじゃないのかなと。
【迫田】僕も絶対そうだと思っています。Facebookの話ですごい象徴的だと思ったのが、アクティビティが全部ウォールに出るという機能を追加した時の話で。誰かがどこに行きましたとか、何々をいいね!って言いましたとか、人々はそういう「誰かの行動」についての情報を知りたがっているから、それを一元化した、つまり元々ある情報を見やすくしただけなのに、ユーザがすごい反発したと。めちゃめちゃユーザは反発したんだけど、一方でサイト全体のPVは跳ね上がっていて。
【迫田】この2つって象徴的で、全員をストーカーにするような機能を追加してとんでもない、みたいなことを言っている一方で、皆すごい使ってるんですよ。で、それって人が知りたい情報だからですよね。それを知りやすくしたというだけのFacebookに対して、悪い奴だと言えるかというと、言い辛いと思うんですよ。一概には言えない。
【迫田】なにか情報を預けておいて、それが表に出ちゃってサービスを訴えるって、結構定型化してきていると思うんですけど、個人が秘匿しておきたい情報をばらされて怒るのって、その人がWEBに載せなければいい、黙ってればよかっただけなんで、それってどうなんだろうってちょっと思うんですよ。
【迫田】自分が使っているサービスはこういう情報を表に出す作りになっていなかったから上げてたのに、それを広める作りに作り変えちゃうなんてひどい……という意見なら、まぁわかると言えばわかるんですけど。でもそれってなんか王様の耳はロバの耳みたいな話で、本当はその人が「言いたい」んですよね。言ってしまって、広まって、恥を書いたって言うのは昔から、昔って言うのはインターネットが始まった頃からある話だし、それはもともと守られている情報ではないんだと。「インターネットにあがった情報というのは、どうにかすれば誰かに見られちゃうものなんだ」っていうのを皆が理解するタイミングに来たのかなあと思いました。
隠しておくの無理なんですよ、インターネットに載せると。
【加藤】 WEBサービス自体が良いか悪いかよりは、自分の行動に納得できるかどうかみたいになってきますよね。
【迫田】もしくは無理やりもう一個論点を持ち出すんであれば、説明責任ですかね、サービス側の。情報が漏れる危険性はあるかもよ、ってきちんと言ってあげてない。いずれにせよ、使う側がもう少し気を付けないとだめなんだってことを多くの人が知るべき時代ではある。
【加藤】 平たく言うと想像力の欠如だと思うんですよ。Twitterで卒論コピーしましたとか、サービス側がいくら警鐘を鳴らしても、どうしょうもないし、Twitterのせいだって言われてもTwitter悪くないし、なんなのって言ったら、卒論コピーしたのが悪いわけじゃないですか。それを言うってのは想像力が足りないのかなと。
【迫田】それは無理のような気がするんですよ。僕らからすると普通にインターネットを使っていて、何となく話題になったサービスに乗っかっていくタイプの、いわゆるレイトマジョリティくらいの人たちって言うのは、単に何となくサービスを使っているだけだと思うので、それだとわかんないですよね。自分がそのサービスを使って、Twitterで「ナントカなう」とつぶやく、ということが何を示すかって実はすごく頑張って考えないとわからないと思うんです。
【迫田】「ナントカなう」で、自分がどこにいるかばれました。たとえばその人が有名人ならそこに人が殺到するとかで騒動になったり……という時に「Twitterって怖い」ってなっちゃうのはちょっと違うとは思う。一方で、気付かなくても無理はないと言って今までの感覚で使い続けていたら、そういう事件って絶対これからも増えていくし。
でもそういう出来事が増えて、初めてそういう危険性があることなんだって普通に使っている人がわかるというのは無理もないかなあと。
【迫田】卒論コピーしちゃいましたとか、カンニングして答えが知りたいからYahoo!知恵袋に書いちゃいましたとか、そういう報道を見たら、そういうことしちゃいけないんだってわかるわけじゃないですか。見て学ぶ人はいると思う。特に今の若い子達、小学生、中学生、高校生位の子達は、そういう事例を見て学ぶはずです。
【加藤】 そういう意味だとなんか、あんまり楽しい結論じゃないですけど、僕達人柱の世代なのかも知れないですね。次の次代に繋ぐための。
【迫田】そうです、そうです、その通りだと思います。なんかやってみて成功したり失敗したりして、後の人たちがそれみて学ぶ、インターネットに関してはそういう世代じゃないですかね。でもそれって楽しいですよね。
【加藤】 楽しいですね。初めてホームページ作った世代としては楽しいですね。
【迫田】楽しい。小中高の頃って日本がイケイケで、バブルが膨らんだり弾けたりして、新しいことができないんじゃないか、皆やりつくされているんじゃないか、という空気があったと思うんですけど、そういう空気の中で半ば諦めつつ育ってきたけど、だからこそ嬉しいですね、インターネットの黎明期に関われたというのは。
【加藤】 僕ら好きなところに関われてるっていう意味では幸せですよね。
【迫田】幸せですね。
『ゲーム脳ばと』
【加藤】 最後『ゲーム脳ばと』の話ししましょうか。そもそもなんでポッドキャストやろうと思ったんですか?僕そもそも何であのお三方でつるんでるのか知らないんですけど。
【迫田】『ゲーム脳ばと』ってポッドキャストをやっているんですが、メンバーが三人で、全員男で、全員小学校から一緒の同級生。小学校から切れ目なくずっと仲がよかったわけじゃないんですよ、途中で別れたり、くっついたりしながら、たまたま2〜3年前という時期に仲が良くて、しょっちゅう会って話してたんですね。
【迫田】僕らそんなにお酒も飲まないので飲み屋でもなく、ファミレスとかで話しながらゲラゲラ笑ってるんですけど、「これって他の人が聞いても面白いんじゃないの?」って思っちゃったんですよね。
【加藤】 でもそれすごい大事ですよね。そう思わなかったら世に出てなかったですよね。
【迫田】その辺は後々「やってみるもんだな」と思ったんで、いい勉強にはなりました。
【迫田】自分たちが喋ったものを、もしくは喋ってる様子をどこかに出してみよう、どこかに出すなら今はインターネットがあるじゃん、ということで、どんな形態で出すかは最後まで議論はあったんですけど、最終的にポッドキャストに落ち着いたと。
【加藤】 議論好きですもんね!
【迫田】そうなんですよ。そもそもポッドキャストがどういうものかとかあまり知らなくて始めたんです。
【迫田】その時ちょうど僕が今の職場に入った頃だったんですよ、たまたまTwitterをやってる人で、同じ業界の人がいて、その人がWEB関連のポッドキャストやってたんですね。それを結構お手本にさせてもらったところがあります。
【加藤】 それ大事ですよね。僕ら2〜3ヶ月前の先人をなぞる作業をやる仕事じゃないですか。
【迫田】まあそうですね、あまりそうですねって言いたくないですけど、そうですねw。
【加藤】 多分一人の師匠を以て解決できることって、僕らがやりたいことのすごい限られた部分でしかないですものね。
【迫田】そういう意味ではいいですね、Twitterは。色々な人が色々なことやってるんで。ありがたいことに僕らがポッドキャストやっていて、それがきっかけでポッドキャスト始めました、という人もいたりするので。
【加藤】 前の人に倣ったら後ろがついてきたってことですよね。
【迫田】それが一番嬉しいです。
【加藤】 もう100回近いですよね。100回何かやるんですか?
【迫田】大したことやんないですけど、節目には毎回Ustreamで生中継やっているんで、お楽しみにw。100回まで行くとはあまり思ってなかったですけどね。
【加藤】 普通何か始める時に100回まで行くと思ってないですよね。
【迫田】僕ら毎週更新しているんですけど、そのうちペース落としていくよね、って話で始めたんです。ところが始めてみたら全然落とさない。たまに「社会人ですよね?」みたいな投書が来たりします。どうやって時間作ってるんですかとか。
【加藤】 大地さんとか見てて思うんですけど、某社のWEBデザイナーですって言われると、スゴイですねって感じじゃないですか。でも『ゲーム脳ばと』っていうコンテンツを持っている人だって言われると、そっち側で付き合えるんじゃないかという。
【迫田】そう言っていただけると物凄いありがたいです。それこそ、Peson As A Mediaを目指している身としては、まだ会社の名前のほうが強いですよね、というところがあって。そこはちょっとどうにかしたいところではあるんですけど。
【加藤】 まあでも比較軸同じじゃないですからね。人がコンテンツを持つこと、ってのは最近大事だなあと思っていて、大地さんもそうだし、僕が付き合えてる異業種の人って、皆自分でコンテンツ持ってるんですよね。そういうことをこれからの人たちにやってもらいたいなあ。
【迫田】最初の話に戻りますが、人がメディアになる、って言われて久しいわけですけど、本当にそういう風に自分がなるとは全然思っていなくて。ポッドキャスト始めた時も全然思ってなかったんですけど、最近になって「あ、これでいいんだ」って思えたのはポッドキャストを始めてみての大きな収穫かもしれないです。
【迫田】後ろからの人が付いてきてくれたことと、人がメディアになるってことは可能なんだっていうのがわかった、その2つが収穫ですね。
【加藤】 そういうタイミングでET Luv.Lab.に出てきてもらったのはスゴイ良かったです。
【迫田】ありがとうございます。ET Luv.Lab.を見た瞬間にも、これ前も言いましたけど「ヤラレタ!」と思って、本当に。こういうのやりたかったなあと思ったので、呼んでいただけて光栄です。
【加藤】 ET Luv.Lab.は僕淡々と続けていくだけなんであれですけど、知り合いいっぱいいますし、またどんどん面白いことやりましょう。
【迫田】やりましょう!

迫田大地。1980年生まれ。東京造形大学視覚伝達デザイン科卒業。
在学時より多数のウェブサイトを制作、運営。その後、ソフトウェアハウスのデザイナーを経て大手ポータルサイト運営会社へデザイナーとして入社。主にスマートフォン用のウェブサービスおよびアプリケーションのインタラクションデザインを担当。
その傍ら、Podcast「ゲーム脳ばと」を企画、制作。Apple社の選ぶ年間ベストコンテンツ「iTunes Rewind 2009」のオーディオポッドキャスト部門に選出される。