徳本 昌大
2011.06.14
「コミュニケーションの今」
徳本 昌大 - CROAK & AD2PRADO / GM Manager
僕がいつもと少し毛色の違うプロジェクトにアサインしていただいた時に、そのプロジェクトでお世話になったのが、「ソーシャルおじさん」こと徳本昌大さんでした。お仕事の合間にET Luv.Lab.のことをお話ししましたところ、快く取材を引き受けていただけることになりました。
「ソーシャルおじさん」とはなんぞ、ということを皮切りに、ソーシャルメディアのこと、広告のこと、そして人がどうポジティブに自分の活動を回していくのか、人生の大先輩は熱く、しかし、丁寧な言葉で語ってくださいました。こんな話は独り占めしては勿体ない、ET Luv.Lab.やってて良かった!というわけで今宵も物語は始まります。
ソーシャルおじさん
【加藤】徳本さんを知らない方に、 「ソーシャルおじさん」を正しく説明するのも実はなかなか難しい、と感じていまして。ソーシャルと言っても広義ですし。最近思っているのが、実名・非実名ということだけではなくて、例えばビジネスのオン・オフの切り替え、公人・私人の切り分け、パブリック・プライベートの対比みたいなものを、ソーシャルということが全て包んで、境界線が曖昧になっている気がするんです。実はその辺りにソーシャルおじさんを理解するヒントがあるんじゃないかと思ったんです。
【徳本】そうですね。まずソーシャルおじさんってなんなのか、知ってる方も全く知らない方もおられると思いますが、実は去年の9月までは老舗のレガシー系の広告代理店にいて、一切顔出しせず、名前出さず、裏方さんとして仕事していました。ですので、検索しても、WOM協議会の発起人というところ以外は、Googleでも引っかからないように、注意して活動していました。広告会社の営業だったので、一切表に出ないように。
【徳本】去年の10月から、今のアドツープラドというベンチャー系の広告代理店と、クロークというソーシャルメディアエージェンシーに転職してきて、あるきっかけで、「ビジネス得本」というビジネス本の著者を呼んでお話をする番組を立ち上げました。そうしたところ、次から次へと面白い出来事が、どんどんポジティブに起こるようになってきました。それを私たちは、やりたいことのフラグを立てれば、きっと面白いことが起こるよ、という「ソーシャルメディアのマジック」と整理しています。ソーシャルメディアで旗を上げていくことで、人と人の交流を促すのが「ソーシャルおじさん」の仕事、と理解していただけると嬉しいです。
【徳本】なぜ「おじさん」なのかというと、私達の世代の人を若い人達にうまく利用してもらいたいんですね。ソーシャルメディアで若い方々がベンチャーを立ち上げたり、色々なプロジェクト、NPOを立ち上げるにしても、例えば人脈だとか金脈だとかで行き詰まってしまうことがありますよね。逆にそこにおじさん達はノウハウを持っています。そのおじさん達をソーシャルメディアに参加させるというのが僕の役割で、僕「ソーシャルおじさん」は、おじさんのためにソーシャルメディアを普及させる、そのために「ソーシャルおじさん」として活動しています。
【加藤】レンジは広いですよね。
【徳本】そうですね、僕の先輩たち、70代前後の方々から30代、逆に20代の方々でも僕の話を聞いて面白いと思えば、ソーシャルメディアに参加していただきたいと思っています。最近本を出したおかげで、講演をする機会を持たせていただいていて、先週の金曜日もベンチャーの社長、若い方から中年の方まで集まっている会で、ソーシャルメディアの話をさせていただいたのですが、早速ある会社の社長がFacebookに登録したよというメッセージをくれたんです。すごくきっかけ作りとしては面白いなと思います。
【加藤】元々、レガシーの広告代理店からソーシャルに動いたきっかけみたいなことは、徳本さんの個人の経験としてあるんですか?
【徳本】全部ビジネスなんですけど、1998年くらいからサイボウズというグループウェアの担当を仕事としてやっていました。インターネットってすごい可能性があるなと思っていて、インターネットの面白いニュースを比較的チェックはしていました。2004年にブログブームが来たんですけど、その時、自分ではブログを書かなかった。いや書いたとしても、それは匿名で趣味のブログを書いたりしていて、本名、実名では一切何も活動しなかったんですね。
【徳本】ところがブログやってる人達が、ブロガーとしてどんどんメジャーになっていくのを目の当たりにしていて、なんだやっときゃよかったな、と絶えず後悔をしていました。2007年に元サイボウズの高須賀さんという方がアメリカで起業なさったベンチャーの、日本でのマーケティングをお手伝いさせていただいてたんです。彼が来日するたびにiPhoneがすごいとか、TwitterとFacebookがすごいとか、当時のアメリカの最先端の情報をもらっていて、日本のメディアっていうのはやがてなくなっていくし、ブログメディアやソーシャルメディアの力が強くなっていくだろう、という気がしていました。
【徳本】でも実際に自分でTwitterを始めたのは2009年、Facebookも2009年、これからはソーシャルメディアがどんどん力を持っていくんだろうなってことを実感していたから、ソーシャルメディアではブログの時みたいに遅れたくなかったので、「実践」をやり始めて、どんどん活動していこうと決めました。去年の10月からは名前も出して、写真も出して、徹底的にここで勝負していこうと思って、ソーシャルメディアの中でアクティブに活動するようにしています。
【加藤】ある種、プレイヤーになった、というようなイメージですよね。
【徳本】プレイヤー&翻訳業=トランスレーター。先に進んでいるインフルエンサーの方々の情報をわかりやすくおじさんが翻訳して、色々な方に伝えていく。伝道師とキュレーターと、少しごっちゃにしたような。
【加藤】トランスレーターって「普段遣いの言葉にしてあげる」みたいなことですよね。
【徳本】そうですね、わかりやすく。おじさんが使っていればハードル下がるじゃないですか。
【加藤】どうしても難しい横文字並べがちですものね。
【徳本】先ほどお話したように、サイボウズのマーケティングをずっとやっていて、僕らは「グループウェアより難しい言葉を使うな」ということをクライアントから言われていたんです。ERPとか難しい言葉を一切使わない。誰でもわかる言葉でコミュニケーションをしてくれ、わかりやすいコミュニケーションをして欲しいと。ITって難しい言葉使いたがるじゃないですか。Twitterも140文字ってことを言ったから成功したんだと思うし、Facebookは逆に写真を上げて本名で、しかもビジネスでも面白いことが起こるってことを色々な人が体感して、わかりやすく皆が伝えていったから、日本でもだんだんブレイクしているんだと思うんですね。
【徳本】ソーシャルメディアのハードルをもっともっと下げる作業がすごく大事だと思っているので、そう言ったようなお話をわかりやすく伝えていきたいですし、「こんなおじさんでもやってるんだよ!」ということで、わかりやすく示していきたいと思います。例えば、インフルエンサーの人達がいくらiPhoneすごいすごいって言ったとしても、iPhoneのすごさは写真をTwitterに上げてそこにコメントができることが実は一番すごかったりする。そういうことを見せてあげるほうが、実はアイテムのすごさを伝えることになるよね、という風に僕は思っていて、そうすることですごく障壁が下がっていくんじゃないかと思ってますね。
【加藤】ソーシャルメディアの時代っていいなと思うのは、わかりやすい言葉で受け取れれば、後はすぐ自分で試せるというところがあると思うんですよね。僕もそうだし、徳本さんもそうかも知れませんが、すぐ試すじゃないですか。試して確認すると人にまた話せる。その経験が情報として流通していくことがすごく面白いと思います。
【徳本】そうですね。ブログの時にはハードルを作ってしまった。匿名にしていたり、気に入らないと閉じちゃったり。継続をしなかったんですね。やってはいたんだけど、方法論が違ったり、やめない方がいいのにやめてしまったり。そういう失敗もしてきたけれど、今回、ソーシャルメディアは面白いメディアで色々な人と交流できるチャンスだから、何でも積極的に、新しいものを聞いたらチャレンジしていこうとしています。
【加藤】チャレンジの成果って見え始めてますか?というか日々見えている感じですかね。
【徳本】日々面白くなってますね。
【加藤】ですよね。
【徳本】人生こんなに面白いと思わなかった。
【加藤】そんなにですか!
【徳本】うん。あと、ネガティブなこと一切考えなくなりました。考えるんだけど、ネガティブはソーシャルメディアで乗り越えられる。
【徳本】例えば月曜日の朝気分が辛くても、誰かが僕より早く起きてツイートしてれば、それを見れば起きられる。もしくは、僕がポジティブな発言をしていくことによって、皆が元気になったりする。良いことも良くできるし、悪いことも良くできるというのが、ソーシャルメディアでアクティブに動いていく意味かな、という風に思います。
【加藤】いいことには「いいね!」を重ねれば良いし、悪いことにも「コメント」で足してあげればいいってことですよね。物の考え方とかも、ソーシャルメディア的になったりしてきているのかも知れませんね。
広告の姿
【加藤】ソーシャルメディアの時代と言われて、予算も動いていて、最近代理店を退職される方の記事をブログで読んだりもしているのですが、そういう流れってどう思われますか。
【徳本】僕自身は広告代理店を辞めたわけではなくて、広告代理店のメンバーとしてソーシャルメディアを見ています。元々WEBマーケティングをやっていた時もそうなんですけど、PRマーケティングの方にも参入していったりしていましたし。僕が広告会社に入った時って広告だけやっていればOKだったんです。アテンションさえ取っていれば。今はアテンション取りに行っても、情報があまりにも大爆発していて、アテンション取れなくなってきています。空気を作っていこう、情報を世に投げていこうというPRによってメディアから入ってくる情報にアテンションかけていく、という広告モデルが何年か前くらいから日本に来ているんですけど、その後にはソーシャルでユーザさんの声を拾って、そこでコミュニケーションしていこうというのがあると思うんですね。
【徳本】でも、広告はなくならないと思うんですよ。アテンションがとれたり、クリエイティブの力だったりというものと、ソーシャルの力とメディアの力がうまくかみ合わさって、情報発信していく時代だと思うんで、広告費は少なくなっていく可能性は高いと思いますし、メディアの力も弱まっていくと思うけど、日本においては全員がFacebookやるかと言ったらそんなことはない。Mixiも2,000万人で止まっちゃいましたよね。Twitterも2,000万人前後で動いてて、地震の影響もあってちょっと伸びているのかな、Facebookも340万人というところから、今怒涛のごとく伸び始めてますけど、全てがソーシャルメディアか?と言ったら、そんなこともあり得ないと思います。広告から情報を取りたい人もいるでしょうし、メーカーからの情報発信もすごく大事だと思うんですよ。ユーザの声だけじゃなくて、メーカーのWEBサイトを見ることもなくなりはしないですよね。ちゃんした情報を取りたいですよね。
【加藤】もしかしたら、今のお話うかがっていて思ったんですけど、ソーシャルと今言われているものが、いずれソーシャルと言われなくなるのかも知れませんね。
【徳本】そうですね。多分、メディアや企業も個人として発信し始めるようになるということでしょうね。ザッポスにしてもそうだと思うんですけど、一人一人、個々の人間がどう行動して、どう良い情報発信をしていくか、ということで企業の信頼って作られてますよね。だから、企業のパーソナル化、コミュニケーションのパーソナル化みたいなことがどんどん起こっていけば、ソーシャルメディアっていう概念も自ずと変わってくるかも知れないですよね。
【加藤】靴修理の職人の友達と以前、物々交換みたいな仕事が理想だよね、という話をしていたことがあるんですね。野菜をもらったら、靴を直してあげる、みたいな。勿論、実際はお金もらってやってるんですけど、もしかしたら大企業の人達もそういうことが求められるのかなとも思います、商活動が原始的な部分に戻ってきているというか。
【徳本】ただ、皆食べていかなければいけないので、マネタイズの話をしっかりしていかないといけないと思うんですね。でも、無駄なものは作らないほうが良いし、無駄なエネルギーは使わないほうが良いし、というのはどこかでありますよね。必要ないもの買う必要ないですものね。
【徳本】必要ないものを使わせるような広告ではなくて、大事なものを見つけやすいようにしてあげる広告、みたいなモデルが作れれば面白いですよね。
【加藤】そうすると広告も他の商売と変わらないところがあって、お客さんのことをよりよく理解するとか、お客さんのことをすごく好きになるとか、そういう泥臭いところは変わってないのかなっていう風にも思いますね。
【徳本】そうですよね。お客さんのこと好きにならないと駄目ですよね。
OnとOffを繋げる
【加藤】今、徳本さんの会社はUstreamの次みたいなことは考えておられるんですか。
【徳本】Ustreamも手段でしかなくて、全部のクライアントにUstreamやってくださいと言っているつもりもないですし、ソーシャルメディアを使わなくて良いクライアントもあると思うんですよ。お客さんの課題を解決するために何が一番いいのか、というところから入っていきたいんです。先日も、あるECサイトのお手伝いをしているんですけど、ランディングページを作ってらっしゃらないんです。それじゃ売れないですよね。自分が探している情報でそのサイトに行ったのに、全然違うターゲットに向けた内容が書かれているページに行ってしまったら、直帰しちゃいますよね。情報を求めに行っている人が、その商品で課題を解決できるような設計をコミュニケーション上でしてあげることが、WEBマーケティングの入り口だと思うので、ソーシャルメディアをやるよりは、最初にまずそこをやられたらどうでしょうか、というお話をさせていただきました。
【加藤】さっきおっしゃっていたロスを無くすということが、解決策の最適化なのかも知れないですね。
【徳本】そうですね。自分が欲しい情報を探しに行って、そのサイトがSEOやSEMで集客しているのに、欲しい情報がなかったら、すさまじくがっかりしますよね。極端な話、そのブランドのことを嫌いになっちゃうかも知れない。
【加藤】会議で演説している人みたいになっちゃいますよね。相手が見えてないというか。でも、WEBマーケティングやソーシャルメディアですごく微調整ができるようになってきているなあという感じがしていて、小さく刻んでいけるようになってきたのかなというふうには思いますね。
【徳本】おっしゃる通りですよね。
【加藤】そうすると徳本さんみたいにフットワーク軽く動ける方のほうが、楽しい仕事作れる感じがしますよね。
【徳本】そうですね。楽しい仕事作りたいですよね。待ってても仕事来ないじゃないですか。
【加藤】そうですね。
【徳本】先程の話に戻ると、メディアの力はすごいなと思っていて、先日NHKの番組に松村太郎さんと一緒に出たんです。『おはよう日本』という朝の番組。それに出た後で色々なことが動き始めていて、テレビに出たということで信頼してくれる人も増えたりね。同じ人間で同じことをやっているにもかかわらず、テレビに出たんだからしっかりしている人だろうみたいな不思議な印象の変化が起こっています。
【徳本】面白いことがありまして、僕の小学校4年生の娘の同級生のお父さん、一回前にプールでお会いしたことがあって、時々街ですれ違ったりはしていて、お互いに存在は知っていたんです。そうしたら、そのNHKのテレビを観てくれたそうで。それから、僕の名前をネットで検索して、僕のブログを読んでくれて、昨日Facebookで友達リクエストをいただいたんです。初めましてではないんですが、ということでご連絡いただいて、僕がやってることを見てくださったということでしたから、実は明日朝活をやるんですよというお話をしたら、来たい、とおっしゃってくださいました。
【徳本】これは、今までとは全然違う人脈です。そこで何が起こるかわからないですけど、Off to Onですよね。元々人と人の出会いはもっと面白くできるはずだと思っていたので、この朝活は「ソーシャルおじさんと朝活」ということで実験的に始めたんです。Twitter上で「ソーシャルおじさんと朝活したい人」ということで募集したら、何人かリプライしてくださいました。Facebookグループも立ち上げて、どこでやろうか、いつやろうか、何をテーマにやろうか、というのをFacebookグループで話し合い、実際の朝活の場に来ると、そこで初めて出会う人っていっぱいいるわけですよね。
【徳本】それはOn to Offですよね。OnからでもOffからでも、情報発信することが可能になっていって、そこで人と人の出会いを設計できるし、面白いプロジェクトも作れるし、そのプロジェクトが面白ければもしかしたら自分のビジネスにもなるかも知れない。もしくは、もっと新しい出会いが生まれて、そこからビジネスが生まれるかも知れない。何か自動回転ではないんだけれども、オートマティックに仕組みを作っていくことによって、ソーシャルメディアの中では面白いことが起こっていくよ、という風に僕は最近ずっと思ってます。
【徳本】同時に、日本においてはテレビメディアもまだまだ大きな影響力があると、NHKの番組が証明したとも言えます。マスの力と自社メディアとソーシャルの力が合体したら、よりパワフルになると思うんですよね。そのお手伝いをしたいなというのも、ビジネスマンとしてのソーシャルおじさんの夢です。
【加藤】そういうことって日本の国力になる気がするんですよね。
【徳本】そうですね。なりますよね。だから、さっき申し上げたように、隠れた資産を見つけ出す作業になっていくと思うんです。会社の中では多分辛いこともいっぱいあるんだけど、人の役に立てることってあるじゃないですか。ノウハウとか知識だとか財産だとか。それがソーシャル上で可視化されていって、皆がマッチングされていく。僕はOffの方からOnの方へつなげていく作業を今しているんだろうなと思っています。
【徳本】On to Onのマッチングはいっぱいあるんだけど、Off to Onのマッチングというのも、僕はありだと思っていて、On to Offもありだし、On to Onだけじゃないよ、というところが、ソーシャルメディア時代には、すごく力を発揮するんじゃないかと思います。
【加藤】コミュニケーションのデバイスも、iPhoneで位置情報がついたりタイムスタンプがついたり、リアルとの接点を活用したほうが、より良くコミュニケーションが行える、という方向に進んでますよね。
【徳本】Instagramで写真を撮って、そこに位置情報をつければ、それが人のために何かしたことになりますよね。こういう綺麗な花がここには咲いているんだ、ということをアピールしたことにもなるだろうし、その写真を見て花を好きになる人もいるだろうし。
【加藤】それがもしかしたら人かも知れないですしね。
【徳本】物かも知れないし、わからないですよね。
【加藤】そうやってもう一度世の中が可視化されていくと面白いですよね。
【徳本】と思います。間違いなく思います。
認めて、乗り越える
【加藤】すごく最初の話に戻っちゃうんですけど、僕がネットの仕事を始めたのがちょうど98年で、僕はずっと制作側をやって来たんですけど、見てきた感覚、勿論、ビジネスのノウハウとかは全然不足していますけど、同じ地平を見てきた人を見つけられて、嬉しいなあと思いました。
【徳本】あくまでも広告代理店発想で物事を見ていたので、歪んで見えていたところもいっぱいあると思うし、最近は歪みも調整しながら見ていますが、絶えず勉強ですよね。
【加藤】絶えず勉強というのが、徳本さんのブログでそれこそ可視化されてますよね。
【徳本】そうですね。ブログにも一生懸命絶えず勉強と書いていないと、勉強しないじゃないですか。
【加藤】自分をポジティブな方向へエンジンかけていくというような作業ですよね。
【徳本】それが絶対必要だと思います。先ほど、高橋慶治さんという方とUstreamで番組やっていたんですけど、高橋慶治さんはオリンピックのメンタルトレーナーで、柔道の古賀選手が金メダルを取った時のメンタルトレーニングをされていた方なんですね。人間は絶えずリラックスしている時の方が、力を発揮できるんですって。リラックスするためには瞑想が大事なんだそうです。寝る前に瞑想をちょっとするだけで全然変わる。ネガティブなことを考えないで、ポジティブなことを考えるイメージトレーニングを絶えずして、それを毎日続けていくことが大事だっておっしゃるんです。
【徳本】僕実はコーチングやっているんでその基礎はわかっていて、どうやったらポジティブに生きていけるんだろうかってことを研究していて、今に至るんです。だから、自分を奮い起こすというか、習慣をやめないことの習慣化ってすごい大事なことだと思っています。どうやったら人が面白くなっていくか、ポジティブに活動できるかということを考えています。
【加藤】生き方も仕事も同じ方向に向かっているんですね。
【徳本】同じ方向に向かっていますね。辛いことはいっぱいあるんですよ。辛いことは認めて、どうしたら辛くならないのかということを考えたほうが、その辛さをすぐに消せるんです。例えば、嫌なことなんて世の中にはいっぱいあるんだけど、嫌なことに耐性がついていけば、耐えられれば、エンジョイできれば、辛いことなんてなくなっていくんですよね。最初、会社に行くことが辛かったとしても、会社が楽しくなったら、それは辛くなくなっていく。嫌いな食べられなかった食べ物も、食べてみて美味しかったら、苦手だったことなんて記憶からなくなっていってしまいますよね。それと同じで、苦い薬は苦い薬を体感して、それを認めることによって、苦さが嫌じゃなくなる。子供は苦いってイメージを、苦い、苦い、苦い、自分でネガティブにネガティブに捉えてしまうから、永遠に苦いじゃないですか。だから、飲みたくないわけですよね。苦しいことが見つかれば、苦しいことを認めてしまって、どうやってそこから解放されるのかを考える方が、人生をポジティブにできますよね。
【加藤】小さい挑戦を毎日たくさん積み重ねてやってらっしゃる感じだから、そういうことがもっと若い人達に伝わると良いですね。
【徳本】今は、会いたいって言われれば会うし、僕が会いたいと思えば会いにいくしということで、一人一人いつでもドアをノックして会うようにしています。
【加藤】徳本さんが次に誰と会って、次の次に誰に会うのか楽しみですね!
【徳本】そうですね。1日1人必ず新しい人に会おうということに今決めていて、それを宣言していると誰かが会いに来てくれたり、紹介するよって言ってくれるんです。面白いですよね。

ソーシャルおじさん 徳本 昌大
USTREAMに目ざめた広告会社の営業マネージャー。ソーシャルメディアにはまりながら、広告ビジネスを日々考えている48歳男性。 ニックネームはソーシャルおじさん。