鵜川 洋明
2016.08.18
「水、流るるを、樂しむ」
鵜川 洋明 - キャリアカウンセラー/ワークショップデザイナー
僕も関わる児童養護施設を退所する若もののための奨学金支援プログラム、カナエールでトレーニングチームのリーダーをしているのが、うーさんこと鵜川洋明さんです。カナエルンジャー(奨学生)とエンパワチーム(社会人ボランティア)がスピーチコンテストを迎えるその日までサポートするのがその役割。プロジェクトを通じて知り合いましたが、時折、プロジェクト外のこと、日々の仕事や関心や興味についてお話するのも楽しみにしている人の一人です。
うーさんにインタビューするのに、何を共有できるだろうというのと同じくらい、実はどこがずれるだろう、というのを楽しみにしていました。その時、僕は何を言うだろう、ということも。問いを用意して、答えを聞き出す、そういうインタビューでは全くないこのET Luv.Lab.、中華街の中国茶カフェで、2人で即興で作った「場」は、何だかちょっと不思議なものになりました。とても楽しい取材でした。
働き方と自由
【加藤】僕ずーっとフリーランスじゃないですか。組織に勤めたことなくて、最近週1回オフィス勤務するようになって、お、ちょっとわかって来たぞ、みたいなこととかあって、うーさんの話を聞いていたら、組織に勤めてから独立をされてるじゃないですか。その時って、僕みたいになりゆきでフリーランスになった人間とは違う、マインドチェンジがあったのか、動機があったのか、というのを最初に聞いてみたいと思ったんですけど。
【鵜川】そうだなあ。元々、マインドは俺フリーランスなんだよ。
【加藤】なるほど、なるほど。それは会社時代からって言うことですよね。
【鵜川】自由って言うキーワードはね、何となく昔から好きなキーワードだったんだよね。どこか「こうしなきゃいけない」とか「こういうもんだ」って言われると、「え、なんで?」ってちょっと反発するところあって。ずっとサッカーやっていたけど、最初ウォーミングアップで皆体操するんだけど、皆同じように体操するんだよね。それが、なんでだ、って。皆それぞれコンディション違うんだから、好きにやればいいじゃん、って思ってしまうタイプで。とにかく型にはめるのが嫌というか、好きじゃなかったの。それなのになんで会社勤めするんだという話なんだけど、それはもうね、どちらかと言うと周りの目が気になるとか、そういう部分なんだと思んだけど。皆こういう風に行くのに、自分が違う方に行く勇気がないって言うか。自由でありたいと思う自分と、周りから見て、この人すごいよね、流石だよね、って言われたい自分が混在してたのね。そういう風に言われるのは、周りから見て、「あそこの会社に行ったんだ」とか「こういうことやってるんだ」みたいな、一般的にすごいって言われる感じってあるじゃん。
【加藤】わかります。ある種、世の中的に認められている文脈に乗った上で認められないと、なかなか周りの人が一様に評価してくれないだろうなという感じはすごいします。
【鵜川】そんな感覚があったので、会社勤めしたというか。なんで俺が就活したんだろうって。本当の意味で多分、自由さを自分が出せる強さを持っていれば、会社勤めとかをしてなかったと思う。
【加藤】ちなみに会社何年くらいおられたんですか。
【鵜川】17年いた。
【加藤】ああでも長いですね。
【鵜川】長かったなあ。中学生くらいの時のサッカー部が一緒で仲よかった奴と、山登りながら「サラリーマンとかなりたくないよね」とか言ってた覚えもあるしね。
【加藤】でもなんか僕思うんですけど、会社にいる人とか組織にいる人と話をしていると、ずっとそういうことをある種否定しながらと言うか、ずっとフリーランスみたいなマインドで動こうとしながら、でも組織にいた方が、使えるリソースが多いとか、やりたいことに近いとかの理由でおられる人は多いですよね。
【鵜川】それはあるよね。マインドと頭と両方あって、意識はもっと自由自在でいたいとか、旅するように仕事したいとかってマインドがあって、でもね、頭はどこか打算的なところはやっぱりあって、この会社で色々な経験を積めることはメリットあるなとか、給料出てるというのは安定的だなとか、この肩書を持ってるからこそできることあるなとか、それはそれであって。そこにはやっぱり旨みとかさ、なんか楽さもあるんだよね、ある意味。大変さとか楽さの種類が、フリーランスと組織人では違うんだけど、でも組織にいるって環境に慣れてると、逆にその環境から外れることで、「うわ、面倒くさい、大変になりそう」みたいな感覚もどこかあって。
【加藤】そうですよね。多分、しなくても良いこともしないといけなくなるんだろうなあ、みたいなのはありますよね。経理のことは経理の人がやってくれてるんだろうし、もし営業だったら。それも自分で見るとなるとやっぱり、って言う。最近なんかすごい選択と集中みたいなこと言われるけど、自由になると意外と選択と集中しづらいんじゃないかと思っていて。
【鵜川】なるほどね。
【加藤】うーさん今、自分がフリーランスというか、自由な働き方を作っていく、していく、ていうことと、組織をいる人たちを見る、今おっしゃってた色々なタイプの組織の人っているよね、というところの外側からそれを見るお仕事もされてるじゃないですか。そういうのの切り分けってどうしてるのかなと思って。
【鵜川】だんだん切り分けみたいなのは弱まってる感じがする。多分、自分が見ている未来のイメージの中に、全ての人が個が前提として働くだろうなというイメージがあって、例えばほんとに1人で何かをやるという役割もあるし、組織の中に何らかの役割を持って加わる、コースケさんもそういう意味ではフリーランスでありながら組織人として働いてる側面もあるんじゃないかなと思うんだけど、そういう形もあるし、それを2つ3つ同時並行でやるというのが当たり前になって来るから、そうすると雇用形態も変わってくると思うんだよね。そういう風に考えていくと、基本的にまずその人がどうありたいのか、何をしたいのかというのは、誰しもがないと、組織であろうが、フリーランスであろうが、面白くないんじゃないか、うまくいかないんじゃないかと思ってて、そうするとあんまりそこを切り分けて考えるみたいなことはしなくてもいいかなって思うのね。組織と個人の違いに何があるかというと、人との関係性とかで、厄介なこととか、抑えとかなきゃいけないことの違いがあるくらいで、実はそれ以外は何も違いないんじゃないか、って思ってるところが最近かな。
【加藤】そうすると例えばトレーニングとか研修とかで企業に入って行く時も、組織のマネージメントみたいなアプローチよりは、個人のエンパワーメントみたいなアプローチに近くなって来るんですかね?
【鵜川】それはね、両方やる。ただマネージメント自体が、個をいかに活かすか、個をいかに見るか、というマネージメントに変わって来てるわけじゃない。まだ勿論今までのやり方と混在していると思うのだけど、俺が企業研修でマネージメントを扱う時は、どちらかと言うと、個を活かすとか、強みでマネージメントするとか、サーバント・リーダーシップとか、そういうテーマでやってるのね。あとダイバーシティとか、なのかな。だからそういう意味ではマネージメントする本人も、個をちゃんと確認しないといけないみたいなこともあるし、そういう意味では両面ある。
【加藤】まあでも、リーダーシップとフォロワーシップみたいな言い方ありますけど、両方ないと機能しないですよね。
【鵜川】機能しないんだよね。人ってリーダーっていう役割、もしくはリーダーって言われる人が、常にリーダーか、って言うとそんなことなくて、局面が変わればリーダーは変わる。
【加藤】ああ、面白いですね。
【鵜川】そういうのが自然だと思っていて、そう考えると、時に自分が自分の強みを活かしながら前に出て、時に後ろに下がる、時に誰かをサポートする、みたいな柔軟性というか、そこに「ねばならない」みたいなのは一切なくて、その感覚とっても大事だと思う。
【加藤】今、お話をうかがいながら昔聞いた、うーさんがサッカーのリベロをやっておられたというのを思い出していたのですけど、やはりチームスポーツの皆が同じことをやるはずなんだけど、全然実は役割が違って、局面ごとにリーダーシップ誰が取るかも変わって来る、みたいなのってありますよね。
【鵜川】その頃はリアルタイムで観てないのだけど、オランダがワールドカップで準優勝した時に、クライフって言う選手がものすごく一世を風靡した時期があって、そのオランダのサッカーがトータル・フットボールって言われてたの。今までは役割がディフェンス、中盤、フォワード、みたいにはっきり決まってて、本当に分業だったんだけど、オランダは誰もが守備をして誰もが攻めて、次から次へと人が現れてくるようなすごい自由なサッカーをしてたのね。それすごい良いなと思って。その感覚が自分の中にあるんだろうね。
Visionary Work
【加藤】なるほどですね。僕もやっぱりラグビーやってたのでわかります。あとこの話って、いつもうーさんが言っているVisionary Workという言葉に近づいて来たなと思うのが、一人一人の役割ということで切り分けていくと、タスクが降りて来て、それを100%こなせるかどうかという勝負になって来るじゃないですか。でも実際はさっきのトータル・フットボールの話のように、もうちょっと遠くに大きな目的があって、それに対して人間が流動的に動いていくようなイメージなのかなあという気がしていてて。
【鵜川】なんか面白いもので、役割はこうです、という風に与えられた役割で動くというのが例えば言うなればチーム1,0だとすると、いやもっと自由にのびのびやろうよ、というオランダのトータル・フットボール的なのがチーム2.0。そこから結果的にまた役割分担になっていくというのがあって、それは与えられた役割分担じゃなくて、それぞれの強みを活かすという役割分担なんだよね。これがチーム3.0。皆で自由にそれぞれが何でもやろうということをやっていった結果、俺はこれが強いことがわかった、おまえはこれが強いことがわかった、みたいな感じで自然とリーダーシップを、この局面は俺が取るよ、こっちの局面は俺が取るよってできて、その状態を良い状態に保っておくというのが、実はトータルのリーダーシップの大事なポイントじゃないかと思うんだよね。それサーバント・リーダーシップという言葉がフィットすると思うんだけど。そういう組織運営みたいなフェイズがあるんじゃないかと思うよ。
【加藤】なるほどね。なんかそれを作っていくことって、僕も普段の仕事で4~5人の小さいチームの世界でやっているのですけど、やっぱり仕事をこなすごとに皆の動き方がよりわかって来て、よりよく機能するようになっていくなあ、という感じはしてて、ただ、普通の人に対して同じ職場でいつも一緒にいる人たちに対してならトレーニングするってことできるかも知れないですけど、ある種スポットでとか、色々な場所から人が集まってという時に、時間軸があまり長く取りづらい時にそれどういう風にクリアしていくのかなというのが気になりました。
【鵜川】なんかね、これ俺の研修のスタイルというか、マネージメントも研修みたいなことも一緒な気がするんだけど、その限られた時間の中で答えを出す、ことを手放すって言う。
【加藤】ああ、なるほど。
【鵜川】昔ってさ、もうこの時間の中で答えを出すとか、判断をするとか、決断を下す、というのがとても大事だって言われてて、それは確かに大事だと思うのだけれど、多分、どんどん変わっていく状態が、これからもっとスピーディになるし、激しくなると思うのね。多様な人もいっぱい関わって来るとなると、何かそこで決断するというよりも、どんな場面に置いても判断をする問いを持つみたいな感覚がすごい大事だと思っていて、だからこういう時はこうですよ、って伝えるんじゃなくて、こういう時はこういう問いを持って、判断をしたりとか、考えるっていう、そういうことを伝えるようにしてる。そういう個が問いを持っていると、組織が成長していくという感覚があって、極端な比較をするとさ、答えを渡すとその答えを常に再現しようとするじゃん。
【加藤】そうですね。
【鵜川】ある答えを持っているということは、どんなにシチュエーションが変わっても、Aと言ったらAをやる、Aがうまくいかなくなったらどうしよう、で誰かに聞きに行くみたいなことになる。でもこれって成熟してなくて、でも一方で問いを持っていると、このシチュエーションだったらどうするんだろうって、この問いに照らして考えると今回Aだな、次はBだな、Cで行こう、みたいに成長していく感じがあるよね。
【加藤】なるほどな。今、お話うかがっていて思ったのが、限られた時間から先って、独り歩きさせるところだったりするじゃないですか。昔、企画書書く時によく言われてたのが、企画書って、紙作って、1時間くらい話せるとしても、そこから先はお客さんの会社の中で独り歩きしていくものだから、じゃあどうするのって言う時にガッチガチに決めて渡すと、それがちょっとでも間違ってたらダメ、ってなっちゃうから、なるべく伸び代が伸ばせる状態で、お客さんの可能性を提案するみたいな感じにした方が良いみたいな話をされたことがあって、今のチーム・ビルディングみたいな話も多分一緒ですよね。
【鵜川】一緒だね。個人のキャリアも、組織のあり方も、チーム・ビルディングも、やっぱり良い感じのファジィさってすごい大事なような気がして、置いてるものっていうかね。そこがないと、これがダメだったらさあどうしようみたいになっちゃうし、考えなくなっちゃうよね。
【加藤】やっぱり一本槍の詰将棋みたいなのはしんどいなあという感じがしてて、動かせる駒がいっぱいある中で、帳尻合わせながら、ということになって来るのかも知れないし、それがなんか多様性みたいなことの包含なのかも知れないですよね。
【鵜川】Visionary Workって言う時にね、マネージメントとはまたちょっと違うんだけど、よく自分のやりたいことがないとかさ、自分の軸がないとか言う時に、話を聞くと、やりたいこととか自分の軸というのを、文字通りDoingの部分で考える人はすごい多いと思うんだよね。自分はどんな職業につくのかとか、どんな技術を身につけるのかとか、何をやるのかとか、そこが自分は一体何が向いてるんだろうかとか、自分は何が得意なんだろうという話をするんだけど、そこが見えないところなんだけど、軸ってそこにはないだろうと思っていて。それはある意味、手段だと思っていて、極論何でもいいじゃん、と思うわけ。それをやりたかったら磨けばいいじゃん、というね。向いてる向いてないを知る前に、まずやってみて磨いてみて、それで判断していかなきゃいけないから。でも軸はなくて良いかというと、やはりあった方が良いと思っていて、その軸っていうのはどちらかと言うとBeingだったりVisionみたいなところに置いた方がいいかなと。例えば、俺の場合は一人でも多くの人が、Visionary Workをしていける世界を作る。自分は常に色々なことから自由な自分でありたいとか、人の可能性を100%信じる自分でありたいというのがあって、そのBeingだとかVisionって言うところから判断すると、やることは本当に何でも良くなって、そうすると周りから見られた時に、「何やってる人ですか?」って聞かれると俺も困るっていう感じになるんだけど、それが心地よくて。
【加藤】そうですよね。
【鵜川】それは全て自分がやっていることが、描いてるVisionだとか、こういう自分として生きたいというところ繋がっているっていうこの感覚があれば、本当に何でも良くて、オープンマインドで、訪れることを楽しめるっていうかね。それ俺やるのかな、でもやってみちゃおうかな、面白そうだから、という。
【加藤】そうですよね。コンディションが違ったら、ストレッチのやり方変える、みたいなことと似てるのかも知れないですね。
【鵜川】かも知れないね。
【加藤】そうかあ。さっきの同じ文脈に乗っかっていないと、なかなか他の人に評価されづらいみたいな話があった時に、僕も結構、節操ないって言われることがあって、節操ないって言うのはすごい良いことじゃないかなと思うんですよね。どうせ色々なことありながらも長い時間軸で仕事していかなきゃいけないんだから、節操のない勝負をやってできるだけできること増やしていった方が楽しいんじゃないかという気がしてて、なんかいまいち合理的に選択と集中ができないところではあるんですけど。
【鵜川】それはそれで良いと思うよ。それが楽しいと思えるなら。
【加藤】そういう意味で言うと、自分が楽しいかどうかって言うのも大事なんですけど、僕よく酔っ払うと、仕事一緒にやって面白かったかどうか、みたいなことを聞くんですよね。それが一番良いベンチマークのような気がしていて、なまじ一人で仕事していた時間が長かったので、他の人が一緒に仕事やってて、あいつと仕事するの面白いと思ってもらえるかどうか、ってのをすごい気にしますね。うーさんとかどうですか。
【鵜川】そうだね。それはすごい自分にとってのエネルギーになるし、やりがい感にも繋がるかなと思う。似て非なるものなんだけど、以前の俺って言うのは、人の期待に応えるって言う生き方働き方をしていたのね。周りから言われることに対して、求められることに応えていくって言う。それによって、すごいねとか、さすがだねとか、一緒にいてくれて助かったとか、って言ってくれることに対して、やり甲斐を感じる部分もあって。でもね、それってどこか無理があって。だんだん人に合わせるってことが、難しくなってくるんだよね。やることが広がってったり、関わることが増えたりして。ただそれでも合わせよう合わせようとすると矛盾が出て来る。それをうまくできないということに対して悩んだりとか、人に喜んでもらおうとして合わせようとしてるのに、逆にその人から非難されるみたいなこととか。
【加藤】そうですよね、ありますよねw。
【鵜川】ものすごい理不尽感でしょw。やっぱり自分が何をしたいのかというところが一つとても大事で、無理をしないっていうのかな、言い方としては。自分がこれすごいしたいしやりたいし大好きだってことで、誰かがそれに対して喜びを感じてくれるっていう領域で、何かやっている感じっていうのが一番心地よくて、それが結果的に、俺も楽しかったし、おまえも楽しかったみたいな感覚になる、そういう意味での分かち合い?お互いがそれぞれ自分の持っているものを出して、結果として皆で楽しかったね、ってという感覚はすごい好き。
【加藤】なるほどなあ。僕なんか色々なことを仕事、仕事って言っちゃう癖があるんですけど、仕事って便利だと思っていて、Mediumだと思うんですよ。例えば、Mediaだったら情報が中間物となってそれを共有することによって人と人との関係性が生まれてたりするじゃないですか。それと同じで、プロジェクトって1対1のダイレクトのことだけでやり取りをしていると、なかなか穏やかにずっと人と接するとか、心地良い状態をずっと続けるとかって、案外難しいことになっていくとか、1対1ではできても1対2とか1対3になると難しいとか、出て来ると思うんですけど、仕事っていうところで中間物に対して丁寧に向き合ってやると、色々払拭できることがあるなあっていう気がしていて、チームでやる時に、仕事っていう一つの目的を持っていたりとか、役割を持っているものを共有してるっていうのは、割と救いになっているような気がするんですよね。
【鵜川】それ大事だよね。やっぱり皆が同じところを見てるっていう感覚とか。さっきのお互いが良いところ、強みを出し合って、結果良かったね、楽しかったねみたいになるっていうのはすごい望んている姿なんだけど、例えばそれが100日間あって、100日間全て、2400時間全てがその状態であるかって言うと、そんなの無理だと思うんだよね。
【加藤】ですよね。
【鵜川】うん。だから途中でむかついたらむかつく、みたいなことがあったり、ぶつかり合いがあったりというのも全然良いと思っていて、ただ、大事なのはその違いを尊重し合えるということ。違ったらこいつもう一緒にやりたくねえ、わかんねえ、みたいにするんじゃなくて、なんでこの違いが生まれてるんだろう、相手は何を想っているんだろうみたいなことを掴むとさ、もう一歩深く分かり合えるみたいな。そのもう一歩深く分かり合える醍醐味みたいなものが楽しくて、ぶつかり合ったら、面白い、これもう一歩仲が深まるかもよ、って言うのもどこかに持っていてやるって言うのはすごい大事で。
【加藤】仲良くなりたくて意図的にずらしたりしますからねw。
【鵜川】うん、そうそう。
うーさんと僕とカナエール
【加藤】あと今、尊重って話になったんですけど、話を変えて、少しカナエールの話をしてみたいんですけど、なんか最近思うのは、「子どもの支援」という言葉、というのが意外と僕しっくり来てないなあ、という感じがしていて、この間、石巻で高校生と大学生と一緒にハッカソンでWebサイト作って来たんですけど、最初は大人と子どもなんですけど、モノ作ってる過程でなんか兄貴と弟分みたいなテンションでやっていて、これが一番やりやすいし、いつもの仕事に近いなって感じがしたんですよね。でも一方で、子どもの支援っていう言葉の使い方が悪いという話ではなくて、どういう風に向き合いながらやっていくかということを皆考えながらやっていると思うんですけど、うーさんって子どものにかかるプロジェクトに関わることを始めた動機、とかあるんですか?
【鵜川】そうだね。子どもに関わりたい、みたいな動機はあまりなかったね、その時は。なんか今のことをやっている前提みたいなものが、本当に自分がこれだって思えるものとか、それをやって、もしくはそれが作り上げられた瞬間ってすごいなってワクワクするものを目指していくような、そういう状態って人ってすごい幸せだと思うんだよね。
【加藤】そうですね。
【鵜川】そういう人を一人でも多く増やすことに、自分は加担したいって思ってて、それは自分が一番望んていることだから。そういうことを考えてると、それがフィルタとかアンテナになって、色々そういう情報が入って来て、その一つとしてカナエールの話がポンと来たのね。それもFacebookでナオさんってカナエールの立ち上げの時に初代のオレンジのエンパワ(社会人ボランティア)をやってた人が、こういうボランティアがあるんだけど、まだ人足りてないみたいなんだけど、なんか興味ある人いるかなあ、というつぶやきのようなFacebook記事を上げていて、それに俺は反応したんだよね。
【加藤】ボトルメールを拾っちゃったみたいな。
【鵜川】だから全然「よし、これからやろう、探そう」みたいな強い意志は全くなくて、流れでそこに辿り着いたみたいな。
【加藤】じゃあ、1年目はエンパワとして関わって。
【鵜川】2年目も俺、エンパワやるって言ったんだよ。で、ゆってぃ’(現カナエール実行委員長)に「2年目も俺やりたいと思ってるんだ」、って言ったら、しばらく間があって、返事が「来年はどうするか今ちょっと検討中なので、お待ちください」って返って来て「オイっ!」って言う。
【加藤】ははは。
【鵜川】今、やらせるかやらせないか天秤にかかってるわけ?とか思ってたら、後から、新しい人を巻き込んでいきたいので、俺はトレーニングチームでスタッフ側に入ってもらいたい声が上がっていて、それを検討してるみたいなことを聞いて、だったら最初に言えよって話なんだけど。
【加藤】なるほどw。無駄に溜めますからね。
【鵜川】というのがあって、それでスタッフ側に入ることになった、というのが2年目以降。でも俺はなんか両方面白いなと思っていて、1人の子どもにガッツリ関わるというのも面白かったけど、全体を見れて、色々なバリエーションがあることに対して、何か関わっていくというのは、やれるんだったらそっち面白いなというのがすごくあって。それやるよ、って感じで、それも流れに乗った、って感じ。
【加藤】ああ、そうなんですね。
【鵜川】好きな言葉があって、西国分寺でクルミドコーヒーってカフェをやってる影山知明さんっていう人と話した時におっしゃってたのだけど、自分は流されて生きているんだと。ただ、人生に1回か2回はもう何が何でもこれだっていう決断をする時って誰しもあると思うんだけど、その時に決断しておけば後は流されて良いんじゃないか、みたいなことを言っていて、思ったのが、流される方向だけ決めて、後は流されていけばいいな、って感触があったのね。ただ流されるっていうのは漂うってことだから、それはなんか気持ち悪いんだけど、自分はこっちの方に流されようっていう、Visionだったり方向性みたいなものが見えて、後はそこに色々な支流があって、どこに行こうが、別にこっちが流れが強いからこっち入っちゃったみたいなのも全然良いと思っていて。その感覚って今大事にしてる。
【加藤】それって今カナエールでもあるかも知れなくて、「夢」って言うと結構ガッツリ「夢」で、そこに対するアプローチも一本で、そこの最短を行かなければいけないんだみたいに、カナエールではそうなってないにしても、なりがちなものじゃないですか。
【鵜川】そうだね。
【加藤】ホントは色々な可能性があると思うのと、前にゆってぃと話してたんですけど、進学先が決まってとか、就職先が決まってとか、それで僕らの結論が出るわけじゃないよね、って話をしていて、多分、関わる子どもよりも僕らの方が人生終えるの早いじゃないですか、年齢的に。
【鵜川】そうだよね。
【加藤】だから見届けることはもしかしたらできないのかも知れないよ、という話をしていて、そういうあきらめを持ってやるのが大事かなとかちょっと思っていますね。
【鵜川】それ大事だと思う。意図を持って結果を手放す、みたいなところあって、結果に執着するとか、コミットするとか言うけど、それはそれで悪いことじゃないと思うんだけど、何となくコントロールになるような気がしてて、この結果を出すっていうのは自分じゃなくて相手なのに、俺はこの結果を出して欲しいから、そっちに行くように何とかさせようみたいなことって言うのはエゴかな、って。自分の可能性っていうのはもっともっとあるんだ、みたいには思って欲しいし、自分のやってることの意義をすごく感じて欲しいから、そういう風になって欲しいという意図は持っているんだけど、そうなるかならないかって言うのはタイミングとかその人の捉え方もあるから、そこは手放してるんだよね。
【加藤】ああ、なるほどですね。そういう意味で言うと、僕、去年くらいから、割と明確に一つ変えたことがあって、今までって結構、あんまり自分の関わってるやってることの内容をエンパワの人とか実行委員の人とかに細かく伝える必要はない、と思ってたんですよね。僕はカナエールのプログラムが走ってるところとはちょっと裏側のことをやっていることが多いので。だけど去年くらいからやっぱりちょっと話してないと伝えられないものがあったりとか、逆にこっちが手伝ってもらえないとか、じゃあでも裏側で動いているものって、それこそ飲み会とかで話して伝えきれるかって言うと難しいと思うんですよ。なので、一つキーになるのは、マニュアルじゃないドキュメントをちゃんと作るみたいなことがすごい大事だなと思っていて。
【鵜川】物語的な感じかな。
【加藤】そうですね。だから手持ちのネタで行くと、それこそブログの記事が関わる人達に読まれるとそれが伝わるみたいなことかも一つかも知れないし、「場」を持てないけど、ちゃんと伝えなきゃいけないことってある、と思っていて、やっぱり、うーさん達がすごい羨ましいなあと思うのは、場を作って場の中で対話をしていける。
【鵜川】それは確かにメリットだし醍醐味ではあるよね。
【加藤】ですよね。だから多分やらなきゃいけないことは、場があろうがなかろうが同じなんだけれども、やっぱりその場の持ち方、僕の場合だとプロモーションに関してはインターネット、とかになっちゃうから、それをそれぞれが場に対してどうアプローチしていくかって言うのは、考えていかないといけないことかなあという気がしていますね。
【鵜川】そうなんだよね。
【加藤】でも場作りとかってカナエールですごい大事な要素ですよね。
【鵜川】俺は基本的に人って言うのは2人以上になるとその関係性の中でセーブしようとか、相手に合わせようとか、よく思われようとか、色々な心理が働くので、場を作る時に意識をしているのは、素であれるというか、自分の思っていることを出して良いんだ、このモードに安心してなっていけるというのと、それがただ単純にバラバラでゆるいって感じじゃなくて、なんかそれが良い相互作用を起こすというのかな。自分勝手になるんじゃなくて、あの人はこう言ったからそれは尊重しよう、だけど自分はこうだというのも尊重してもらえる、この安心感というのは意識していて。
【加藤】だから、キャッチボールというか、やり取りというか、そういうのがビョーっと重なっていくと場ができるという感じなのかも知れないですね。
【鵜川】なんて言うんだろうな、言葉は青くさい感じだけど、愛を持って正直である、みたいな。例えば俺、今回すごいカナエールで言われたのが、合宿の最後の俺のコメントが、皆印象に残ってたらしいの。それは何を言ったかというと「ほとんど心が動かなかった」とか言ったんだって。ごめん、去年に比べて、全然心が動かなかいんだよね、3人だけ動いたかな、とか言って。その3人は誰だ、みたいにしてたらしんだけど、でも俺は本当にそう思って。だけどそれはその場を非難しようという気もなければ、鼓舞しようという気もなければ、本当にそう思ったんで、すっと伝えて、ただ一方で、このタイミングではそれもまた面白いよね、可能性を感じるよね、皆がそれをどういう風に捉えてやっていくかだよね、みたいなコメントもそこで発したんだけど、結構俺は素で正直で、ちょっと意図はあったんだけど、他のトレーニングチームのメンバー、あややとかかっちゃんとかが良い感じのコメントをしてて、俺はその感じとは違う感じ方をしていたから、これ出さなかったらなんかふわっと終わっちゃうなという意図はあったんだけど、嘘を言おうとか、デフォルメしようという意図はなくて。話が終わった時に皆のスイッチが入るような感覚がすごくあって。あの感じはすごい良かったな、って思う。だけど俺はその時に、愛を持ってという部分で言うと、「皆もっと全然まだまだいける感じだよね」と同時に思っていたから、安心してそれが言えた。愛って言うと大袈裟なんだけど、その場を良くしようとか、その場に何か良い空気を作ろうっていう思いがちゃんとあった上で、正直であるっていう、そのスタンスがすげえ大事だと思う。
【加藤】そうですね。なんていうのかな、誰の所有でもないような期待感みたいなのが、場にないと、次のフェイズ行かない気がしていて、今日100点取れましたっていう話だと、なかなか次でより良くって話にならない気がするんですよね。カナエールのプログラムで残り何日って進んでいくのもそうだし、1年目2年目3年目みたいな話もそうだし、ただ、現状を全く否定しないで次への期待感って作れないと思うんですよ。だからなんかたまに水面に石を投げる人が必要ですよね。
【鵜川】必要だよね。なんか面白いフレーズがあって、ピーター・センゲって言う『学習する組織』という本を書いた人がいて、俺がちょっと解釈入れちゃってるんだけど、問題解決と創造することの違いはたった1つしかない、それは問題解決は好ましくないものを取り除こうとする仕組み、創造するってことは自分が望むものを出現させようとする仕組み、この違いでしかないという話をしてて、組織のマネージメントの仕方も、自分のキャリアも、あと人を育てるとか、色々な部分でものすごく使える考え方だと思ってて。好ましいものを出現させようとする時に、コースケさん、さっき言ったように、今それじゃなかったら、それを否定する感覚ってとっても必要だと思うのね。問題解決思考の方が、どちらかというと発言はポジティブな気がする。ここを取り除いてもっと良いようにしようという、改善の話をするって、とても前向きなような感じがしてて、でも、創造的な方がニュアンスはポジティブなんだけど、実は言っていることとかは否定的なことを言ってたりして。
【加藤】辛辣だ、ってことですよね。
【鵜川】そうそう。それはこういう良いものを出現させたいんだみたいな意図があってのことであれば、すごく場を活性化するんじゃないかと思ってて。
【加藤】そうですよね。後はなんか、そういうのが演説で終わらないようになれば良いなあ、と思っていて、TED見てたりとか、あとカナエールもスピーチだからそうか、僕演説すごい苦手なんですよ。喋ってる途中で相手のレスポンスがないと不安になっちゃうタイプなんですけど、連続性ってすごい大事だと思っていて、不連続なもの?季節だって、本当は春夏秋冬が分断されてるわけじゃなくて、緩やかに変わるものだって話をこの間したんですけど、連続性の中で物事が進んでいくとか、それこそ解決されるとか、改善されるとかっていうのが良くて、それが目的になっちゃうと結構しんどいんじゃないかなと思うんですよね。プロセスでたまたま生まれる、みたいな。
【鵜川】プロセスってすごい大事だと思う。プロセス思考ってすごい大事で、プロセス思考である以上は、失敗ってあり得ないからね。
【加藤】うんうんうん、そうですよね。
【鵜川】途中だ、みたいな。
【加藤】安西先生みたいな話ですよね、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という。
【鵜川】そうそう。人間の一瞬一瞬だって全部プロセスだし、ただ今しかないことってあって、今ここってのはすごい大事なんだけど、一方で今ここの連続で人生って作られてるってのがあって。
育てる、育つ
【加藤】そうですよね。あともう一つお話したいことがあったんですけど、最近僕がすごい考えていることなんですけど、なんか人を育てるトレーニングというのを考える時に、人を育てるっていうアプローチと、人が育つっていうアプローチとある気がしていて、もしかしたら、それって全然変わらないことなのかも知れないし、全然別個のことなのかも知れないですけど、育てると育つという言葉を聞いた時に、うーさんどういう違いを見るかなと思って。
【鵜川】ああ、なんだろうな。待てる余裕、みたいな感じかな。
【加藤】ああ、そうかも知れない。
【鵜川】やっぱりさ、自分がこうだと思っていて、こうしたら良いというのは誰しもが持ってると思うんだけど、その違いを見ると、手を出したくなるじゃん。こうした方が早いんだよ、とか言いたくなるんだけど、それって自分の尺度でしかないんで。
【加藤】そうですね。
【鵜川】すごい面白いなと思ったのが、伝えるってどういうことだろうということを語ってる人がいて、人っていうのは、聞いたことは忘れるの、見たことは覚えてる、やったことは腹落ちする、自分で発見したことはできる、そんな言葉があって、自分で発見しないと、本当の意味で自分のものにならないんだろうなみたいな感覚があって、それを待つって言うか、意図的にそういうものを見つけやすい環境は整えられるけど、そこから先は手放さないと、本当の意味で育たないなと。だからカナエールって言う文脈に置き換えると、120日間の中で、こういう風になって欲しいという思いはあるんだけど、ならないことも多々あって、変な意味じゃなく、それでもいいや、って思って臨めるかどうか、トレーニングチームが。それあきらめとかそういうことじゃなくて、長い目で見てるっていう。
【加藤】そうですね、そうかそうか。
【鵜川】だからここでルンジャー(スピーチコンテストに挑戦する奨学生)が迷ってる、悩んでる、エンパワも迷ってる、悩んでる、そういう時に、こういうアドバイスをすれば原稿は整うだろう、って言うシチュエーションがあった時に、そこでアドバイスするかどうか、したらそれに従って原稿書けたとなるんだけど、スピーチのクオリティって意味じゃそれやっちゃった方が早いんだけど。でも、それやって何の気付きになるんだろうって。むしろ、うまくいかなくて、実はスピーチそこの部分だけどうも納得いかないで終わった、で、いいじゃん。それがすっと自分の意味での、自分の心のなかでの、わだかまりになって、そのわだかまりが大事なような気がしていて、わだかまるから、ずっとそこを悶々としながら、悩んで悩んで、でもふっと抜けた時に、あのわだかまりとか悶々としたのはすごい意味があった、って言えた方が良いんじゃないかと思ってさ。
【加藤】そうですね。
【鵜川】それは大事にしてるかな。だからやっぱり、「待つ」ってことなのかな。
【加藤】うん、でもそれが一番わかりやすいかな。そうですよね。失敗させたくないって思っちゃう人が待てなかったりしますよね。失敗してもどうにか後ですれば良い、って思えると、やっぱり待てる気がして。
【鵜川】そこってそういう意味でのスタンスの問題で、失敗っていうことがある、って思うと待てない。失敗っていうのがない、って思えば待てる。このこと、起きた出来事、好ましくない出来事を失敗というのか経験というのか、これ同じことを全然違うフィルタで捉えているよね。経験と捉えればそれは本当に成長するために必要なもので。
【加藤】そういう意味で言うと、何らかのポイントがあった時に、そこで何か結論が出なかった時に、そこからガーッと時間軸を先に伸ばせるかどうかっていうのが一つ必要になって来るのかも知れないですね。
【鵜川】生き急がないこと。
【加藤】そうですね。でもほんとそう思いますね。
【鵜川】それってあらゆるところで言えるような気がしていて、俺も企業勤めしながら、今でもそれを否定するつもりはないんだけど、スピード感って言葉には俺はずっと違和感を感じているところがあって、なんでそんなに急ぐのっていう。なんか例えば、成長とか、俺はお店を作るみたいな仕事を前職ではしてたから、お店を作る、1年で何十店舗、そしてこれだけ伸ばす、前年比何%って、確かにそうなんだけど、そのプロセスっていうのは、ここにポンと目標を置いたら、万難を排してその結果を得るためにとにかくそこに突き進むみたいな。なんでそれやるんだろう、みたいなことをずっと思ってて、そのプロセスを豊かに生きながら楽しむって観点が大事だし、1年でそこを達成したらその先どうするの、世界中に展開して、みたいなことも悪くはないんだけど、日常をないがしろにしている感じがあって、1つ1つのことをないがしろにしてることがどこかくっついているような印象が何となくあって、もっとじっくりゆっくり味わいながら仕事しようよ、生きようよ、みたいなのがあって。
【加藤】ですねえ。関わる人が幸せになるとか、一緒に進めていくのが楽しいとかって、多分何かを取り組むことの目的にはならないんだろうけれども、味わい深いのはその辺ですよね。
【鵜川】やっぱりなんかその一瞬一瞬がすげえおもしれえとか、味わえてる感じとか、それがあるスピード感は大歓迎なのね。ガーッて突っ走ってる時に、なんかわかんないけどフロー状態になるみたいな、あの感覚は良いのだけど。そうではないスピード感というか、ただただ数字が踊っているようなスピード感というのはあんまり好きじゃなくて。そういう感覚が人を育てるとか育つみたいなことを考える時にも、俺は出て来てるんだと思う。キャリアを考える時にも、マネージメントを考える時にも、出て来てるんだと思う。
【加藤】それってもしかすると、うーさんが関わる人達にとってのわかりやすい指標ではないから、逆に一人一人が試されるのかも知れないですね。
【鵜川】そうかも知れないね。俺それが全て正しいって一方で思ってないから、皆はどうなの?って聞いて、そういう風に賛同できるならこういうやり方でやろうかみたいな、そんな感覚で良いかなと思っていて。そういう意味では一人一人がやっぱり自分軸を持って、組織に関わってるっていう、その空気感とか価値観みたいなものを、一緒にできると長くやるんだろうなっていう。
【加藤】そうですね。いやあなんかでも、ずっと一緒に、って言っても僕3年だけど、一緒のプロジェクト動かして来て、そういう風に環境全体が、色々な人が違う時間軸の中で、結論を急がずに関わっていけると、そっちの方が長く続く感じがしますね。
【鵜川】そうは言いながらもカナエール早く全国展開しろよ、と思ったりしてるんだけどねw。
【加藤】ははは。では取材はこれくらいで!ありがとうございました。
【鵜川】こちらこそ。なんか楽しかった。
【加藤】ほんとですか。良かった。

◆鵜川洋明(うかわひろあき)
キャリアカウンセラー/ワークショップデザイナー
”VISIONARY WORK=夢と重なる仕事”を1人でも 多くの人がするにはどうしたらいいか、日夜研究しています。好きなことばは”働き方を考えることは生き方を考えること”キャリアやセルフリーダーシップをテーマに、個人、企業、団体にむけてコーチやワークショップやったり、児童養護施設出身のこどもたちが夢を語るスピーチコンテスト“カナエール”やったり、カンボジアで図書館づくりしたり、プロデュース力(VISIONをもとに、人の力をかりて、新しい何かをつくり、現状をかえる力)を身に付ける塾やったり、なんかそんなことしてます。